65歳以降も「月収20万円」で働きながら年金を受け取りたいです。年金はいくら増えますか?「支給停止」になる場合もあるのでしょうか?

配信日: 2024.01.03 更新日: 2024.01.05

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65歳以降も「月収20万円」で働きながら年金を受け取りたいです。年金はいくら増えますか?「支給停止」になる場合もあるのでしょうか?
高齢者雇用の法整備が進んでいることや、将来の年金など経済的な不安から老後も働くつもりがある人は今後も増えることが予想されます。ただ、実際に年金をもらえる年齢に達しても働き続けた場合、受給できる年金額がどうなるのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では65歳以降に月収20万円で働いた場合、受け取れる年金がいつ、どれだけ変わるのかを確認してみましょう。
御手洗康之

執筆者:御手洗康之(みたらい やすゆき)

CFP、行政書士

在職中でも年金額が改定されるようになりました

2022年4月から「在職定時改定制度」と呼ばれる制度が導入されました。それまでは65歳以降に働いている厚生年金被保険者であっても、年金額の改定は資格喪失時(退職時および70歳到達時)のみでした。しかし、在職定時改定制度の導入により、図表1にあるように在職中であっても年金額が毎年10月分(基準日の属する月の翌月)から改定されるようになりました。
 
つまり、65歳以降も働き続ける場合、65歳もしくは66歳の10月分から改定されることになります。
 
図表1

日本年金機構 令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました
 
現在は、原則として厚生年金の被保険者期間は70歳までとなっているため、在職定時改定も無制限に改定されるわけではなく、70歳までとなります。
 

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月収が20万円なら年額1万3000円程度の増額見込み

厚生労働省の情報では、標準報酬月額20万円で1年間就労した場合、年金額は年間1万3000円程度の増加が見込まれます。実際に老齢厚生年金の報酬比例部分を以下の式で計算すると、同程度の金額が算出できます。

例)標準報酬月額20万円の場合で1年間就労した場合

報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×加入期間の月数
20万円×5.481/1000×12ヶ月≒1万3154円

※乗率(=5.481)は2023年12月時点の数値を利用

ただし、実際の金額はこれまでの平均標準報酬額や老齢基礎年金の状況などによって変動します。自身の具体的な金額については、お近くの年金事務所などに相談することをおすすめします。
 

在職老齢年金の支給停止などにも注意が必要

前記の通り、働きながら年金を受給する場合、年金額は70歳まで毎年増えていきます。ただし、働きながら年金受給する場合には、金額により年金額の1部もしくは全額が停止となる可能性もあります。
 
これは「在職老齢年金」と呼ばれる制度で、収入と年金額の合計が月額48万円を超える場合、超えた分の2分の1が停止となる仕組みです。

例)総報酬月額相当額40万円、年金月額20万円の場合

支給停止額=(40万円+20万円-48万円)/2=6万円
調整後の年金額=20万円-6万円=14万円

※総報酬月額相当はその月以前の1年間の賞与なども考慮した平均月額を指します

賞与を含めた年収が多い人は在職老齢年金による年金の支給停止対象となる可能性があるため、働いた分だけ年金額が増えるわけではないことは認識しておいたほうがよさそうですね。
 
年金財源問題などもあり、年金制度や高齢者の雇用制度などは徐々に形を変えています。今後さらに長く働くことが推奨されることになりそうですが、経済的な不安の軽減だけでなく、やりがいや社会とのつながりなども考え無理のない範囲で老後も働くことをおすすめします。
 

出典

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級

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