「部長職」に就いたら、年金は平均でどのくらいもらえる?部長職への打診があり、就くか迷っています……。

配信日: 2024.01.07

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「部長職」に就いたら、年金は平均でどのくらいもらえる?部長職への打診があり、就くか迷っています……。
昇進は「ありがたく誰もが望んでするもの」と思いきや、中には、責任が重くなることや仕事が増えることなどを理由に、出世を拒否したり、どうすべきかを悩んでしまったりする方もいるようです。
 
そこで、部長職に就くと、賃金だけではなく、年金はどれくらい増えるのかを考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

部長職になると、平均給与はどれくらいもらえるのか

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、部長級の給与は年換算で平均913万2800円となるようです(きまって支給する現金給与額を12倍して、年間賞与その他特別給与額を加えたもの)。それに対して、課長級の給与は、年換算で783万6800円となるようです。
 
課長と部長との年収の差は、129万6000円になっています。
 

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部長職になった場合、年金はどれくらいもらえる?

年収が増えることも昇進の魅力ではありますが、それ以外にも、年金額の増加も魅力的です。
 
会社員が将来受け取る厚生年金の額は、おおむね現役時代の平均給与が高く、厚生年金の加入期間が長いほど高くなるからです。
 
仮に52歳で課長から部長に昇進したと仮定して、前出の統計を参考に、厚生労働省の公的年金シミュレーターにて年金額を試算してみます。条件は下記のように仮定します。また年収は、前項と同様に、きまって支給する現金給与額を12倍して、年間賞与その他特別給与額を加えたものとして算出しています。

●1980年4月2日生まれ
●20歳から21歳は学生として国民年金に加入
●22歳から41歳までは非役職者として年収435万円で就労
●42歳から51歳は708万円で就労(42~44歳は年収629万円の係長として、45~51歳は年収788万円の課長として勤務したものとし、その中間値)
●52歳から59歳までは部長として年収984万円で就労

※前出の統計をすべての年代・性別を集計対象とし、非役職者の給与は同統計における「非役職者」20~24歳から40~44歳までの平均値、係長の給与は「係長級」40~44歳の値、課長の給与は「課長級」45~49歳の値、部長の給与は「部長級」55~59歳の値としています。

すると、65歳から受け取れる厚生年金の額は197万円となります。月換算では16万4000円ほどの年金を得られることになります。
 

年金はどれくらい増える?

では仮に、部長にならずに課長のままだった場合は、どれくらいの年金額が見込まれるのでしょうか。
 
下記の条件で、公的年金シミュレーターにて試算してみます。

●1980年4月2日生まれ
●20歳から21歳は学生として国民年金に加入
●22歳から41歳までは非役職者として年収435万円で就労
●42歳から48歳は年収629万円で係長として就労
●49歳から59歳は年収826万円で課長として就労(課長の給与は「課長級」50~54歳の値)

すると、65歳から受け取れる年金額は192万円となります。月額換算では16万円です。
 
課長から部長になった際に見込まれる将来の年金額は、月々の増加額でいえば、6000円程度です。
 
あくまでも統計上の数値ではありますが、課長から部長になっても、年金額が大きく増えることは期待できないようです。
 

なぜ部長になっても年金は増えない?

課長から部長になると、年収は200万円近く上昇しました。しかし、年金はさほど増えないのはなぜでしょうか。いくつかの理由が考えられますが、その一つには、厚生年金の上限額があります。
 
厚生年金には収入に応じた等級があり、それによって将来受け取る年金額が増減します。しかし、月収が63万5000円以上になると、そこからは収入が何円になっても等級は上がらず、年金額もほとんど上がらなくなるのです。
 
もちろん「年収に対する賞与の割合が高く、月収は低めである」「課長時代の給与が低く、63万5000円の上限にかからない」などの事情があれば話は変わりますので、その点には注意してください。
 

まとめ

個別具体的な要件によっても異なりますが、課長から部長になって年収が大きく上がっても、将来の年金額までは、大きく上がらないこともあるようです。
 
しかし、上がった収入が、キャリア形成に大きく寄与することは間違いないでしょう。
 
昇進について考える際は、年金だけではなく、収入の上がり幅や働き方の変化など、諸条件についても加味して考えるようにしてください。
 

出典

日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
厚生労働省
 公的年金シミュレーター

 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職 表番号1 役職、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 産業計
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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