更新日: 2024.01.17 国民年金

現在50歳の自営業ですが、将来もらえる年金が「月6万円」しかないと聞いて不安です。今からでも月400円の「付加年金」を始めるべきですか? いくら増えるでしょうか…?

現在50歳の自営業ですが、将来もらえる年金が「月6万円」しかないと聞いて不安です。今からでも月400円の「付加年金」を始めるべきですか? いくら増えるでしょうか…?
退職金制度がない自営業やフリーランスの人は、将来もらえる年金も会社員や公務員に比べると少ないため、老後の生活に不安を感じる人が多いのではないでしょうか。そんな不安を抱える人には、年金額が上乗せされる「付加年金」の活用がおすすめです。本記事では付加年金の仕組みやメリット・注意点に加え、付加年金によってどれぐらい年金額が増えるのか、実例も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

付加年金とは

付加年金とは、国民年金の通常の保険料に上乗せして保険料を納めることで、将来もらえる年金額を増やせる制度です。
 

加入対象者

付加年金の対象者である国民年金第1号被保険者の年金受給額は、20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を全額納付した人であれば、満額の79万5000円(令和5年度)、月にすると6万6250円受け取れます。しかし、この金額は厚生年金がある会社員や公務員に比べて少ないため、年金受給額を増額できる付加年金をおすすめします。
 
付加年金の加入対象者は以下のとおり、第2号被保険者である会社員や公務員、第2号被保険者に扶養され第3号被保険者になっている専業主婦(夫)の人などは加入できません。

・国民年金第1号被保険者
 
・65歳未満の任意加入被保険者

ただ、対象となっている人でも「国民年金保険料の納付を免除されている人」や「国民年金基金に加入している人」は付加年金に加入できませんので注意が必要です。
 

保険料・納付

付加年金の保険料は月400円、年額で4800円です。通常の国民年金保険料と同様、前納で割引があり、納付期限を過ぎた後も2年間は保険料の納付が可能となります。
 

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付加年金のメリット

付加年金の最大のメリットは、支払った保険料総額の半分にあたる200円に保険料納付月数を乗じた金額が毎年の年金額に上乗せされることです(年金上乗せ額は200円×保険料納付月数)。つまり「400円×保険料納付月数」の保険料総額の「元を取る」のに要する受給期間は、わずか「2年間」ということになります。
 
トータルの保険料と年金上乗せ額を比較すると、仮に年金を4年間受給すれば保険料の2倍、10年間受給すれば保険料の5倍もの上乗せになります。また、上乗せされた年金額は繰下げ受給による増額の対象にもなりますので、繰下げ受給を検討している人にもおすすめです。
 

付加年金の注意点

自営業やフリーランスの人にとっては魅力たっぷりの「付加年金」ですが、注意すべき点もあります。
 

さかのぼって保険料の納付ができない

これだけお得感のある付加年金の制度を理解すると「もっと早く加入しておけばよかった」と思う人も多いのではないでしょうか。しかし、付加保険料の納付は、納付を申し出た月からしかできないため、それ以前にさかのぼって保険料を納付することはできません。納付期限を過ぎた後も2年間は保険料の納付が可能ですが、納付申し出の2年前にさかのぼって納付できるという意味ではありませんので注意が必要です。
 

個人型確定拠出年金iDeCoの拠出限度額が減ってしまう

デメリットの少ない付加年金ですが、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入していた場合には、拠出限度額が少なくなってしまう点はデメリットといえます。例えば自営業者であれば、iDeCoの拠出限度額上限は月6万8000円ですが、そこから付加年金保険料の400円が差し引かれますので、注意が必要です。
 

付加年金で年金額は実際どのくらい増えるのか

それでは付加年金でどれくらい年金を増やせるのか、実例を挙げて見てみましょう。例えば、50歳の自営業の人が、少しでも年金を増やすために、60歳までの10年間付加年金に加入した(400円×12ヶ月×10年間)とすると、上乗せされる年金額は「200円×12ヶ月×10年間」の計算で年間2万4000円となります。
 
「年間でたった2万4000円なのか」と思う人もいるかもしれませんが、納めた保険料総額が4万8000円であることを考えると、2万4000円が毎年上乗せされるのはかなり魅力的です。ちなみに20歳から60歳まで国民年金の加入期間40年、すべて付加年金に加入していた場合は年間9万6000円が上乗せされます。
 

まとめ

付加年金は元々年金額が少ない国民年金第1号被保険者などを対象とした制度で、わずか2年間の年金受給期間で、納付した保険料を回収できるという非常にお得な制度です。ただ、保険料は月400円と少額であり、年金を増やしたいと思う人がこの制度を有効に活用するためには、できるだけ早く加入して納付する期間、保険料総額を増やすことが大切です。
 
付加年金には国民年金保険料のような追納制度もなく、さかのぼって保険料を納付することはできませんので、少しでも将来もらえる年金額を増やしたい人は、早めの加入を検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 付加保険料の納付
 
執筆者:松尾知真
FP2級

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