更新日: 2024.01.18 その他年金

年金にプラスして「年金生活者支援給付金」を受け取れるのはどんな人?いくら受け取れる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金にプラスして「年金生活者支援給付金」を受け取れるのはどんな人?いくら受け取れる?
老後の生活で、大きな収入源となるお金が年金です。定年後は貯金と年金を基にして暮らす予定の方もいます。しかし、年金と貯金だけでは暮らしていけない方も、ゼロではありません。
 
そこで、年金受給者で生活費などが不足する方のために、2019年の消費税増税に併せて作られた制度が「年金生活者支援給付金」です。
 
今回は、年金生活者支援給付金について、概要や支給される金額などについてご紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金とは、消費税が10%に引き上げられた2019年10月に開始された支援金制度です。年金を受け取っていても、所得が決められた基準金額より少ない方に対して、受け取っている年金の種類に応じて支給されます。年金生活者支援給付金は4種類あります。

●老齢年金生活者支援給付金
●補足的老齢年金生活者支援給付金
●障害年金生活者支援給付金
●遺族年金生活者支援給付金

種類ごとに、給付金が支給される条件は異なりますので、確認しておきましょう。
 

年金生活者支援給付金を利用できる条件

年金生活者支援給付金の種類ごとに、受け取れる条件を表1にまとめました。
 
表1

種類 条件
老齢年金生活者支援給付金 ・65歳以上
・老齢基礎年金を受け取っている
・給付金を請求した世帯全員が市町村民税非課税対象
・前年の年金とほかの所得の合計が87万8900円以下
・補足的老齢年金生活者支援給付金は前年の所得合計が77万8900円超~87万8900円以下
補足的老齢年金生活者支援給付金
障害年金生活者支援給付金 ・障害基礎年金を受け取っている
・前年の所得が、472万1000円に、扶養している親族の人数×38万円を加えた金額以下
遺族年金生活者支援給付金 ・遺族基礎年金を受け取っている
・前年の所得が、472万1000円に、扶養している親族の人数×38万円を加えた金額以下

※日本年金機構の各サイトを基に筆者作成
 
なお、所得の合計額を計算する際に、遺族年金や障害年金などの課税対象とならない収入は、計算に含まれません。一方、老齢年金は課税対象ですので、所得の合計額に含まれます。計算をする場合は、対象となるものとならないものを間違えないように注意しましょう。
 

給付金はいくら受け取れるのか

各年金生活者支援給付金を利用した場合に、支給される金額の目安や計算方法は、表2の通りです。
 
表2

種類 支給される月額/計算方法
老齢年金生活者支援給付金 (5140円×保険料納付済み期間÷480月)+(1万1041円×保険料免除期間÷480月)
補足的老齢年金生活者支援給付金 (5140円×保険料納付済み期間÷480月)に、[(87万8900円-前年の年金とほかの所得の合計)÷10万円]を掛けた金額
障害年金生活者支援給付金 障害等級1級:6425円
障害等級2級:5140円
遺族年金生活者支援給付金 5140円

※日本年金機構の各サイトを基に筆者作成
 
例えば、年金保険料を納めた期間が30年で、半額以上免除された年数が5年とすると、老齢年金生活者支援給付金の受け取れる金額は、月額で5235円になります。同じ条件で、前年の年金とほかの所得を合わせた金額が80万円だとすると、補足的老齢年金生活者支援給付金は、月額3042円受け取れます。
 
なお、給付金の受給には請求書の提出が必要です。請求書を出さないと支給されませんので、注意しましょう。請求後、原則として翌月分から支給になり、偶数月の中旬に2ヶ月分が支給されます。
 
また、もし年金が全額支給停止になった場合は、支給されません。
 

老後の所得が低い場合は給付金制度を活用する

年金生活者支援給付金は、年金だけではやりくりできない世帯などに役立ちます。年金の種類によって、支給される金額が異なります。ただし、支給してもらうためには請求書の提出が必要です。出し忘れないように注意しましょう。
 

出典

日本年金機構
 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要

 障害年金生活者支援給付金の概要
 遺族年金生活者支援給付金の概要
公益財団法人 生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計 老齢年金生活者支援給付金について知りたい
厚生労働省 年金生活者支援給付金 年金生活者支援給付金制度について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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