更新日: 2024.01.18 その他年金

【年金の行方】両親が年金を受け取る前に亡くなりました。その場合、子である私に振り込まれるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

【年金の行方】両親が年金を受け取る前に亡くなりました。その場合、子である私に振り込まれるのでしょうか?
年金の被保険者だった人が年金を受け取る前に亡くなってしまった場合、その遺族は遺族年金を受け取れる可能性があります。とはいっても、遺族であれば誰でも受け取れるというわけではありません。
 
遺族年金には支給要件や対象者が決められているためです。そこで今回は、遺族年金の支給要件と対象者、支給額について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

遺族年金とは

遺族年金とは、国民年金や厚生年金の保険者だった人が亡くなった場合、その被保険者によって生計を維持されていた遺族が受け取れる年金のことです。亡くなった被保険者が国民年金にのみ加入していれば遺族基礎年金が、国民年金と厚生年金の両方に加入していれば遺族基礎年金と遺族厚生年金がどちらも支給されます。
 
遺族基礎年金が支給されるための要件は、国民年金の被保険者であることや保険料納付済み期間や保険料免除期間などを合算した期間が25年以上あることなどです。25年以上の要件が必要となるのは、老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したときと老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したときです。
 
遺族厚生年金の場合は、厚生年金の被保険者期間に病気やけがになり、その病気やけがが原因で初め、診察を受けた日から5年以内に死亡した場合なども要件に含まれます。
 

遺族年金を受け取れる対象者は?

遺族基礎年金を受け取れる対象者は、「子」のある配偶者か、あるいは「子」です。そのため、たとえ配偶者であっても、「子」がいない場合は遺族年金を受け取れません。
 
また、「子」とは、18歳になった年度の3月31日までか、あるいは障害年金の障害等級1級または2級で20歳未満の人を指します。そのため、「子」が生計を被保険者とは別にしている場合や、19歳以上の場合などは対象者に含まれません。
 
遺族厚生年金の支給対象者には優先順位があります。最優先されるのは遺族基礎年金と同じく、「子」のある配偶者か、あるいは「子」です。この場合における「子」の定義は、遺族基礎年金と同じなので注意しましょう。
 
また、「子」のある配偶者が遺族厚生年金を受け取っている場合、「子」に遺族厚生年金は支給されません。どちらもいない場合、「子」のいない配偶者が遺族厚生年金を受け取れます。「子」のいない配偶者もいなかった場合の優先順位は、父母、孫、祖父母の順番です。
 

遺族年金はいくら支給されるの?

遺族基礎年金の支給額は、配偶者が受け取る場合、受給者が67歳以下であれば年間(令和5年度)で、79万5000円と「子」の加算額です。受給者が68歳以上の場合、79万2600円と「子」の加算額が支給されます。「子」の加算額は、1人目と2人目は22万8700円、3人目以降はそれぞれ7万6200円です。
 
「子」だけが遺族基礎年金を受給する場合、79万5000円に2人目以降の「子」の加算額を合計した額を「子」の数で割った金額がそれぞれの「子」に支給されます。
 
遺族厚生年金の支給額は、死亡した被保険者が受け取るはずだった老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額です。ただし、受給者が65歳以上で老齢厚生年金を受け取る権利がある場合は計算が異なるケースがあるので注意しましょう。また、被保険者の妻は中高齢寡婦加算が適用される場合もあります。
 

子が遺族年金の対象者かどうかは年齢による!

年金の被保険者が老齢年金受給前に亡くなってしまった場合、その配偶者や子などは遺族年金を受け取れる場合があります。ただし、遺族であれば誰にでも支給されるわけではありません。
 
遺族年金を受け取れる子とは、18歳になった年度の3月31日までか、あるいは障害年金の障害等級1級または2級で20歳未満の人です。それ以外の場合、息子であっても遺族年金は受け取れません。
 

出典

日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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監修:高橋庸夫
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