更新日: 2024.02.08 国民年金

65歳から年金を「月9万円」ほどもらえる見込みです。一人暮らしですが、今後も「賃貸アパート」で暮らせるでしょうか? 高齢でも安く住める場所はありますか?

65歳から年金を「月9万円」ほどもらえる見込みです。一人暮らしですが、今後も「賃貸アパート」で暮らせるでしょうか? 高齢でも安く住める場所はありますか?
年金をもらえる年齢になったときに、年金収入だけで生活できるのかが気になったことはありませんか?本記事では、年金から天引きされる税金などの試算や高齢者でも賃貸物件に住める制度などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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9万円の年金から天引きされる税金はいくら?

年金が年額18万円以上の人は、税金と健康保険料の天引き対象です。
 
主に天引きされるお金は4種類あり、税金は所得税・住民税、75歳未満は国民健康保険料・75歳以上は後期高齢者保険料、そして介護保険料です。
 
例えば、東京都在住で月9万円の年金から天引きされるお金は、いくらになるのか試算してみましょう。
 
<試算>
 
・所得税
 
令和5年度の公的年金等控除額は110万円(65歳以上)、一律の基礎控除は48万円です。
 
(年金月額9万円×12ヶ月)-公的年金等控除110万円-基礎控除48万円=課税所得金額0円となり、所得税は非課税になります。
 
・住民税
 
住民税には所得金額に応じた「所得割」と、所得にかかわらず一律に加算される「均等割」の2種類を合計して税額が決まります。自治体によって、住民税額と住民税の非課税となる所得金額が異なります。
 
東京都で1人暮らしの場合、前年度の合計所得金額が住民税非課税限度額45万円以下の人は住民税が非課税です。
 
(年金月額9万円×12ヶ月)-公的年金等控除110万円-45万円=課税住民税額0円
 
・国民健康保険料
 
国民健康保険料も住民税と同じく、保険料が自治体ごとに異なります。
 
東京都日野市での保険料計算方法で試算すると、
 
所得割0円+均等割3万2400円+支援金分1万1400円+介護分0円=保険料年額4万3800円
 
今回の所得額が前年度と同じ金額の場合は、均等割が70%軽減されます。
 
均等割3万2400円×70%=軽減分2万2680円
 
4万3800円-軽減分2万2680円=保険料年額2万1120円(月額1760円)
 
・介護保険料
 
介護保険料も自治体ごとに所得段階や金額が異なります。
 
東京都日野市での保険料段階の「世帯全員が市民税非課税で、本人の公的年金等収入額+(合計所得金額-年金収入に係る所得)の額が80万円超120万円以下」にあたります。
 
日野市の介護保険料基準額年間3万6690円×基準額割合0.5=年額1万8345円(月額約1528円)
 
ここまでの試算をまとめると、65歳以降で年金月9万円から天引きされるのは国民健康保険料(70%軽減)年額2万1120円(月額1760円)+介護保険料年額1万8345円(月額約1528円)=月約3288円となりました。
 

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年金生活でも賃貸アパート暮らしは可能?

年金収入だけで賃貸アパートに住むことは可能です。火災保険料などの定期的な金銭負担に備えて、なるべくお金を使わずに少しずつ貯蓄しておくと良いでしょう。
 
高齢者のひとり暮らしで賃貸アパートに住み続けることについて、急病などでの入院手続きや部屋の片づけなどを行う親戚らがいないことなどを理由に、高齢者が賃貸住宅を借りにくいといったケースもあります。この問題を解決しようと、国や自治体が様々な対策を行っています。
 

高齢者も安く住める賃貸物件はあるの?

高齢者も安く住める賃貸物件の代表的なものとして、公営住宅があります。しかし、入居条件や住宅環境が高齢者向けでないものもあるので事前に自治体の公営住宅情報を調べておく必要があります。
 
2017年から国土交通省による「住宅確保要配慮者(高齢者・子育て家庭など)の入居を拒まない賃貸住宅」への居住支援制度が開始されました。耐震性を有すること・住戸の床面積が原則25平方メートル以上であることなどの一定基準を満たす全国の民間賃貸住宅の空き家を検索・申請できる「セーフティネット住宅情報提供システム」や入居者への経済的な支援などが行われています。
 

まとめ

年金収入が一定金額以下の場合では税金や健康保険料が大きく軽減されるので、生活を圧迫しない程度の負担額で済みます。賃貸物件に住み続ける場合には火災保険料などの定期的な出費が必要なので、公営住宅など安く入居できる物件を探しておくことが望ましいでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。
東京都主税局 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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