中小の企業年金のない会社員でも、退職金を作ってもらえるチャンスが!

配信日: 2018.10.19 更新日: 2019.01.10

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中小の企業年金のない会社員でも、退職金を作ってもらえるチャンスが!
中小の会社では、確定給付年金(DB)や確定拠出年金(DC)などの企業年金が用意されていないケースが多いようです。あなたの会社はいかがですか?
 
人生100年時代といわれるようになって、今現在、会社員として働いている皆さんが老後になった時には、当たり前に100歳まで生きるようになっているかもしれません。
 
年々増加する100歳以上人口は、今年の「老人の日」時点で6万9785人と発表されています。100歳まで生きる時代に備えて、年金以外の老後資金も準備しておきたいものです。働いている今だからこそできることです。
 
国は皆さんが老後困らないようにと、2017年1月から個人型確定拠出年金iDeCoを全員加入できるようにしてくれました。その制度が2018年5月さらにパワーアップし、従業員が100人以下の中小の会社に勤めている会社員の方のために、会社から掛金を応援してもらえる制度がスタートしていることはご存知でしょうか?
 
中小の会社にお勤めの方に知っておいていただきたい制度です。ご一緒に確認していきましょう。
 

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木田美智子

Text:木田美智子(きだ みちこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
確定拠出年金相談ねっと認定FP、DCアドバイザー、証券外務員内部管理責任者、相続士、金融知力インストラクター、FP未来への扉(幹事)、SANWA DCサポート代表。

確定拠出年金iDeCo始めた人だけ、会社から掛金の応援をしてもらえる!

「iDeCo100万人突破」の記事はご覧になりましたか? 2016年末は30万人ほどだった加入者が、2018年8月には100万人突破と2年余りで急激に増加しています。それは、少子高齢化や長生きの時代の到来で、将来の年金が減少していくことに不安を感じ、特に公務員の加入が増えている結果なのです。
 
公務員は確定拠出年金iDeCoの制度について上司から丁寧に教えられたり、文書形式でしっかり全員に周知されたりするようになっています。公務員の特権だった職域加算の上乗せ年金はもうなくなっています。公務員であっても年金だけでは不安と感じて確定拠出年金iDeCoを始めているということです。
 
個人が掛ける年金制度の事なので、会社員の方には会社からのご案内はなかったかもしれません。新聞などの情報でiDeCoに加入された行動力のある方もいらっしゃるでしょう。また、ご検討中の方もいらっしゃることでしょう。iDeCoをご存じない方もこれからスタートすれば大丈夫です。
 
iDeCo加入者には、3つのメリットがあります。
 
(1)掛金全額所得控除 (2)運用益非課税 (3)受取りも優遇(退職所得控除または公的年金控除)
 
10年以上掛けた人は60歳から受け取れます。10年未満の人は受け取り年齢が少しずれますが、それまでは、ご自分の老後資金を貯めていくのに税金がかからないというお得な制度なのです。
 
企業年金のない会社員の場合は、毎月2万3千円を積み立てすることができます。また、iDeCoを始めた人だけ、会社から掛金を応援してもらえる権利がありますので、その他の条件を見ていきましょう。
 

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100人以下の会社で使えるようになった中小事業主掛金納付制度iDeCo+

企業年金を会社に導入してもらえれば良いのですが、会社にとっては負担が大きく難しい場合も多いようです。そのため国は、確定拠出年金iDeCoに加入している社員には、事業主が上乗せ金を拠出できるよう中小事業主掛金納付制度iDeCo+を作りました。条件は次のとおりです。
 
(1)授業員は100人以下(企業型DC/DBを実施していないこと)
(2)厚生年金加入者であること
(3)掛金の上限は本人と事業主の合計で個人型DCの拠出限度額まで
(4)労組合の同意や組合がない場合は、過半数代表者の同意
 
2万3千円を全額積み立てることもできますが、事業主に掛金を一部負担してもらえたらありがたいですよね。
 
iDeCo+を使えるようになるためには、会社に、中小事業主掛金納付制度iDeCo+を利用できるようになるための手続きを取ってもらうことになります。5月からスタートしたばかりなので、事業主でも認知していないことも考えられます。同じ職場のメンバーの方と一緒に、皆さんからお知らせしていただくことも必要なのではないでしょうか?
 
導入の流れ/国民年金基金連合会 ホームページより
 

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働く社員にとっても、事業主にとってもメリットが多い制度です

iDeCo+を使えるようになるためには、会社員のあなたがiDeCoに加入していること、そして、会社が、中小事業主掛金納付制度の手続きを取ってくれることが必要なことはおわかりいただけたかと思います。では、具体的に見ていきましょう。
 
個人型iDeCoの最低金額は5千円からで、掛金の限度額は2万3千円です。5千円から2万3千円の間で労使合算して、5千円から2万3千円の間で千円単位で掛金を出し合います。事業主は、職種や勤続年数などで金額を決めてよいことになっています。事業主が負担してくれる金額を考慮して掛金を調整していくことが可能です。
 
例えば、1万円を拠出してもらうことができたら、会社から年間12万円もあなたの老後資金専用iDeCo口座に入ってくることになります。ご自分で負担するはずだった12万円が使えるお金に変わる、または12万円を貯金することもできます。
 
iDeCo+を導入してくれるような、働く人の老後資金のことも考えてくれる会社だったら、長く一生懸命働こうという気持ちも沸いてくるのではないでしょうか?
 
少子高齢化の影響で人手不足の会社や職業も多いとお聞きします。iDeCo+の導入は、中小の会社にとって良い人材に来てもらいやすくなるというメリットがあるのです。
 
ハードルの高い企業年金を導入とまではいかなくても、退職金制度がある会社として評価されるようになります。また、確定拠出年金の掛金は費用として扱われますから、税金を抑えるという効果も出てきます。
 
働く人にとっても、事業主にとってもメリットの多いこの制度が早く広がりますよう願っています。それが、長くなっていく老後を会社にも応援してもらえるとても良い制度だからです。
 
私が所属しています確定拠出年金相談ねっとでも、ご相談コーナーを設けております。わからないことはお気軽にお尋ねください。
 
Text:木田美智子(きだ みちこ)
CFP(R)認定者

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