更新日: 2019.08.07 iDeCo(確定拠出年金)
〈どうする?パート主婦の確定拠出型年金〉 ②自分自身の老後のためにできることを考えよう!
1回目は、節税のメリットを生かして、さらなる収入アップを目指す方法をお伝えしました。
2回目は、将来の年金受取時のメリットと自立した老後の生活設計のための利用方法を考えます。
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執筆者:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士
アットハーモニーマネジメントオフィス代表
栃木県出身。横浜国立大学卒業後、銀行、IT企業、監査法人を経て独立。個別相談、セミナー講師、本やコラムの執筆等を行う。
自身の子育て経験を踏まえて、明日の子どもたちが希望を持って暮らせる社会の実現を願い、金融経済教育に取り組んでいる。
また女性の起業,事業承継を中心に経営サポートを行い、大学では経営学や消費生活論の講義を担当している。
確定拠出年金は将来の節税メリットもある
将来受け取れる年金額が増えるのはうれしいですが、受けとる時にまた税金がかかるのでは?と心配する人もいるでしょう。
確定拠出年金を年金として受け取る場合、公的年金控除の対象となります。国民年金や厚生年金などの公的年金と合わせて120万円までは課税されません(65歳以降受け取りの場合)。ちなみに個人年金保険の受け取り時には、こういった控除はありません。
また一時金として受け取る場合は、退職所得控除の対象になります。加入期間が20年以下では「40万×拠出年数」、20年以上では「800万+70万×(拠出年数-20)」が控除され、残りの2分の1に対して課税されることになります。
40歳から初めて60歳まで月2万円ずつ掛け金を払い続けると480万円になります。この金額を一時金として受け取ると全額控除されることになります。
ただし、個人型確定拠出年金の掛け金を拠出できるのは60歳までで、それ以降は運用のみが可能となります。したがって早く始める方が、得られるメリットは大きいと言えます。
受給方法(一時金のみ、年金のみ、一時金+年金)は、受給開始時に選択できます。公的年金控除と退職所得控除、両方をうまく使って最大限節税のメリットを受けたいものです。
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何が起こるかわからない、私の老後は大丈夫?
夫のリタイア後、夫婦で暮らしていけば、年金は夫婦合算で考えてよいでしょう。日本年金機構によると、夫が厚生年金に40年加入し、妻は第3号である期間も含め40年国民年金に加入していた世帯の年金月額の平均は約226,000円(平成26年)です。それに対し、高齢夫婦無職世帯の平均支出額は約28万円(総務省「家計調査」平成27年)となっています。不足する約6万円は貯蓄から取り崩すか、他の年金の手当が必要、となります。
しかし、もし離婚をしたらどうなるでしょうか?年金分割の制度があるとしても、満足に年金がもらえるとは限りません。さらには年金分割などの手続きをしなかった場合、国民年金だけでは年間779,300円、月65,000円弱しか受け取れません(平成29年度、満額の場合)。これでは1人で暮らしていけない!という方も少なくないでしょう。
まずは離婚後2年以内に、婚姻期間中の厚生年金記録の分割請求をするのが先決ですが、万が一の時のことを考えて、将来の年金額はある程度は確保しておきたいものです。
結婚前に正社員で働いていた期間があれば厚生年金が受け取れますが、働いていた期間が短ければあまり多くの年金額を期待できません。パート先で社会保険に加入できる場合は、少しでも年金額を増やすために、社会保険への加入を検討するとよいでしょう。さらに確定拠出年金の節税メリットを利用して資産形成をすれば、老後の生活設計の大きな支えとなります。
働ける間は働いて収入を得ればいい、と思っていても、なかなか仕事が見つからないかもしれませんし、健康状態によっては長く働けない、無理はできないかもしれません。
40歳から初めて60歳まで月2万円ずつ掛け金を払い続けると480万円になります(運用利回りゼロの場合)。480万円を初期費用に施設を探す、もしくは月4万円ずつ10年間確定拠出年金を受け取るようにするなど、もしものときの生活設計も考えておくとよいでしょう。