老後のお金が不安だけど…「iDeCo」と「つみたてNISA」、どっちもやった方がいいの?何が違うの?
配信日: 2018.10.21 更新日: 2019.01.10
2018年度から始まった、長期・分散・積立で小額からの投資を支援するために国によってつくられた非課税制度であるつみたてNISA。
この2つの国の制度は、資産形成を実行するうえで他の制度や金融商品よりも税制面や手数料という意味では有利な面が多いですが、実は使い方をしっかりと決めておかないと結果的にメリットを享受できず、資産形成そのものが中途半端になりお金が貯まらないという悪循環にもなりかねません。
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Text:末次祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会)、企業年金管理士(確定拠出年金)。
大学卒業後、旅行会社、外資系生命保険会社勤務を経て、ファイナンシャル・プランナー(FP)として独立。
「老後資金の不安をゼロにする」特に中小零細企業の退職金を大企業、公務員並みの2000万円以上にするというミッションのもと、マネーセミナーや個別相談、中小企業に確定拠出年金の導入支援を行っている。金融商品は出口が大事。「一生のお付き合い」がモットー。
FP事務所 くるみ企画
末次ゆうじYouTubeチャンネル
イデコは年金、つみたてNISAは制度!
イデコの正式名称は、個人型確定拠出年金で字のごとく年金なので、目的は自分自身の老後のための資産形成になるかと思います。
一方、つみたてNISAは、元来2014年から始まった個人投資家のための最長5年間の非課税期間の税制優遇制度があって(少額投資非課税制度)その非課税期間が最長20年になり、積立型の年間で40万円(非課税の投資額は20年間で最大800万円)が上限で運用していく非課税制度がつみたてNISAの正体なのです。
イデコは、年金なので一度加入すれば60歳までは、基本年金資産を引き出すことはできませんし、毎月掛け金を引き落として運用していきます(2018年からは年単位での拠出も可能にはなりました)。
ですから、60歳以降の年金を作るためには、この制度を活用することで資産形成が他の手段や金融商品と比較した場合は、より容易になり、窓口となる運営管理機関(金融機関)によっても異なりますが、運用する商品ラインナップの中から自由に運用する商品を自分自身が選択できますので、積立方式の自分運用年金といえます。
つみたてNISAは、非課税期間が最長20年間の制度なので、まずは、何のための資産形成か、目的を明確にしなければいけません。最長20年間の非課税制度がですから、その制度を活かすためには、名前をつけて目的を達成できるように制度をうまく活用していくことが重要になります。イデコとは全く別物ですし、切り離して検討しなければいけません。
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つみたてNISAは非課税期間終了のあとが重要
つみたてNISAは、最長20年間という非課税期間があります。口座開設期間としては
2018年から2037年までとなり、この非課税期間が終了した後は、課税口座(一般口座、特定口座)に移動します。よって、年齢や目的によっては、このつみたてNISAが適しているかどうかの検証が重要になってきます。
例えば、35歳の方が老後資金目的でイデコとつみたてNISAを始める場合、イデコは60歳まで掛金を積立て運用していきますが、つみたてNISAの場合は、55歳で終了となり、課税口座に資産が移ることになります。今は35歳ですから20年先の資金をイメージして始めることは素晴らしいことですが、55歳になった時に老後資金として活用の仕方があるかどうかを、やはり考えてから始めてもらいたいものです。
もちろん、55歳以降でも課税口座での積立しながら運用もできますので、まずは自分に合った資金計画を練ることがより重要になってきます。
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つみたてNISAの最長20年間の非課税期間を自分事として考えてみる
先ほどもご案内したように、つみたてNISAの非課税期間は最長20年間ですので、この期間を有効に活用することを考えればいいのです。よって、急に資金が必要になったりした場合は、いつもで資産を売却すれば現金化が可能です。
20年間つづけなければいけないということではありません。イデコは60歳まで掛け続けないといけないのでNISAも20年間は積立ての継続義務があると錯覚しがちですがそうではありません。いつでも買ったり、売ったりする取引が可能です。
このように緊急事態でも対応が可能な資産形成方法ですので、最長20年間の非課税期間をどのように活用するか、自分の事として考えてみてはいかがでしょうか。
Text:末次 祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表