妻は15歳年下で子連れ、65歳からの年金はどうなる?

配信日: 2024.02.26 更新日: 2024.02.27

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妻は15歳年下で子連れ、65歳からの年金はどうなる?
Aさん(男性)は現在62歳。65歳から年間200万円の老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)が受けられることになっています。そのAさんは最近結婚したばかり。結婚した妻・Bさんは15歳年下の47歳、Bさんと元夫との子である12歳のCさんがいます。3人で暮らすようになっていますが、この結婚を機にAさんの年金額は変わるのでしょうか。
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

65歳からの年金

Aさんの老齢年金の支給開始年齢は65歳。Aさんの年金記録では、65歳から老齢基礎年金70万円と老齢厚生年金130万円の合計200万円が受けられることになっています。家族が増えたなかで年金生活もだんだん近づいている状況です。
 
その65歳からの老齢厚生年金には、65歳未満の配偶者がいることや、18歳の年度末まで(一定の障害がある場合は20歳未満)の子がいることでの加給年金の加算があります。配偶者加給年金と子の加給年金、それぞれの加算額が決まっており、【図表1】のとおりです。
 
図表1
 
Aさんの65歳時点で、Bさんは50歳、Cさんは15歳で(障害なし)です。Aさんが65歳になった当時、BさんがAさんによって生計を維持されている配偶者であれば配偶者加給年金・39万7500円が、CさんがAさんによって生計を維持されていた子であれば子の加給年金1人分・22万8700円が、それぞれ加算されます。
 
いずれも加算された場合、合計62万6200円が65歳からの老齢厚生年金に上乗せされることになるでしょう。
 

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65歳前に連れ子との養子縁組が必要

AさんはBさんとの死別・離婚がなければAさんの配偶者となり、最大でBさんが65歳になるまで配偶者加給年金が加算されます。
 
一方、子の加給年金については、加算対象となる子とは、老齢厚生年金を受給できる人の「実子または養子」を指します。AさんはBさんと結婚しても、それだけではCさんはBさんの連れ子に過ぎず、Aさん自身の子ではありません。Aさんの実子でないCさんがいることで子の加給年金を受けるためには、AさんとCさんが養子縁組をする必要があります。
 
Aさんが65歳になる前にCさんが養子になれば、加給年金の加算対象となる子となり、Cさんが18歳になるその年度末まで加算されます(【図表2】)。65歳前に養子縁組をしていない場合は、65歳当時の子ではないことから、子の加給年金はありません。
 
図表2
 

加算条件の確認を

加給年金制度そのものが将来どのようになるかは現時点で明らかではありませんが、現行制度上、Aさんは以上のような加算条件を満たす必要があります。加給年金が加算されるかされないかで、受給できる額、年金生活が大きく変わります。対象となりそうな場合は、事前にその条件を確認しておく必要があるでしょう。
 

出典

厚生労働省 厚生年金法
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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