更新日: 2024.03.06 その他年金

老後の年金について。平均寿命を考えると、早く受け取る方がお得?

老後の年金について。平均寿命を考えると、早く受け取る方がお得?
年金は、2024年時点で65歳から受給できます。また、受給開始を65歳より繰り上げることも可能ですし、繰り下げて受給することも可能です。ところで、実際には早く年金を受け取る方がお得なのでしょうか。
 
今回は、現時点で受給開始可能な60歳からを対象にそれぞれ年金受給者がどれくらいいるのかや、平均寿命までに受け取れる総額などを紹介していきますします。
FINANCIAL FIELD編集部

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年齢別に見た年金受給者数

ここでは、厚生労働省がまとめた「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに男女別で紹介します。
 

・60歳:男性の受給者は0.4万人、女性の受給者は0.1万人です。
・61歳:男性の受給者は0.9万人、女性の受給者は0.2万人です。
・62歳:男性の受給者は1.6万人、女性の受給者は12.9万人です。
・63歳:男性の受給者は34.3万人、女性の受給者は14.9万人です。
・64歳:男性の受給者は41万人、女性の受給者は14.7万人です。
・65歳以上:男性の受給者は1004.6万人、女性の受給者は492.5万人です。

 

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受給開始時期を早めるのは損?

厚生労働省がまとめたサイト「いっしょに検証!公的年金」では、受給開始時期を1ヶ月早めるごとに年金受給額が0.4%減額されるとしています。ただし、0.4%ずつ減額されるのは2022年(令和4年)からで、かつ1962(昭和37年)年4月2日以降に生まれた人が対象です。
 
例えば、受給開始を12ヶ月早めて64歳から受け取る場合は「0.4%×12ヶ月」で、4.8%減額されます。60歳から受給する場合は「0.4%×60ヶ月」で、24%減額になります。なお、減額された場合は亡くなるまでその年金額が維持され、65歳になった時点で戻るということはありません。そのため、開始時期を決める前に自分がどれくらい受け取るのか早めに把握しておく必要があります。
 

それでも早く受け取った方がお得?

では、厚生労働省がまとめた「令和4年簡易生命表」をもとに、平均寿命まで生きた場合に受け取れる年金総額を試算してみましょう。60歳で開始した場合と65歳で開始した場合で比べます。
 
なお、男性の平均寿命は令和4年時点で81.05歳、女性は87.09歳です。小数点以下は切り捨てます。また、平均受給額は、厚生労働省の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータを使っています。
 
・60歳で受給を開始した場合
男性の平均受給月額は8万8303円です。「(8万8303円×12ヶ月)×残り余命21年」で、2225万2356円受け取れます。女性の平均受給月額は8万556円です。「(8万556円×12ヶ月)×残り余命27年」で、2610万144円受け取れます。
 
・65歳で受給を開始した場合
男性の平均受給月額は16万9006円です。「(16万9006円×12ヶ月)×残り余命16年」で、3244万9152円受け取れます。女性の平均受給月額は10万9261円です。「(10万9261円×12ヶ月)×残り余命22年」で、2884万4904円受け取れます。
 

男性は受給開始時期で受け取れる額が大きく変わる

60歳と65歳で比べてみると、女性は200万円以上、男性の方は1000万円以上も差が開くという結果になりました。特に男性は大きく差が出るため、早めに受け取る方が損です。ただし、在職者は収入に応じて年金が減額される場合もあります。自分が何歳まで働くのか、実際の年収などもふまえて受給開始時期は慎重に判断した方がよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 いっしょに検証!公的年金 50〜60代のみなさんへ
厚生労働省 令和4年簡易生命表(男)
厚生労働省 令和4年簡易生命表(女)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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