更新日: 2024.03.09 国民年金

公的年金の「1人1年金の原則」って何? 2つ以上の年金は受け取れないの?

公的年金の「1人1年金の原則」って何? 2つ以上の年金は受け取れないの?
公的年金の支給事由は、老齢・障害・死亡の3つです。支給される事由が異なる2つ以上の年金が受給可能となった際、原則として、いずれか1つの年金しか選択できません。これを1人1年金の原則といいます。
 
本記事では、1人1年金の原則の具体例と例外について解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

1人1年金の具体例

日本の公的年金制度は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建てになっています。つまり、厚生年金が国民年金(基礎年金)に上乗せするかたちで支払われる制度となっていますので、同じ支給事由で支給される次の組み合わせは、1つの年金とされます。

(1) 老齢基礎年金と老齢厚生年金
(2) 障害基礎年金と障害厚生年金
(3) 遺族基礎年金と遺族厚生年金

1人1年金の原則により、支給事由が異なる2つ以上の年金を受けられるときは、「年金受給選択申出書」を提出し、どちらか一方の年金を選択する必要があります。
 
一例をご紹介します、これまでは遺族厚生年金を受給していた方が、特別支給の老齢厚生年金も受給可能になった際、支給される事由が異なる遺族年金と老齢年金をあわせて受給することはできませんので、いずれかを選択します。
 
また、同じ支給事由であっても2つ以上の基礎年金、または2つ以上の厚生年金を受けられるときは、「年金受給選択申出書」を提出し、いずれか1つの年金を選択します。
 
例を挙げると、夫(配偶者)が死亡しこれまで遺族厚生年金を受給していた妻が、子が死亡したことで新しく遺族厚生年金が受給可能になった際、支給事由は同じですが、厚生年金を2つ受給することはできません。つまり、いずれかを選択します。
 

1人1年金の原則の例外

公的年金制度では、同一の支給事由による年金は併給されますが、異なる支給事由による2つ以上の年金の受給権を取得したときは、いずれか1つを選択して受給するのが原則です。
 
しかし、障害年金や遺族年金については、次のような併給が認められています。
 

<障害年金と老齢年金の併給>

障害年金を受けている人が老齢基礎年金と老齢厚生年金も受給可能になった際、65歳以降、「年金受給選択申出書」を提出し、いずれか1つの組み合わせを選択できます。

(1) 障害基礎年金と障害厚生年金
(2) 老齢基礎年金と老齢厚生年金
(3) 障害基礎年金と老齢厚生年金

 

<障害年金と遺族年金の併給>

障害年金を受けている人が、遺族厚生年金も受給可能となった際、65歳以降、「年金受給選択申出書」を提出し、いずれか1つの組み合わせを選択できます。

(1) 障害基礎年金と障害厚生年金
(2) 障害基礎年金と遺族厚生年金

 

<老齢年金と遺族年金>

(1)老齢基礎年金と遺族厚生年金
65歳以上で老齢基礎年金を受けている人が、遺族厚生年金も受給可能となった際、老齢基礎年金と遺族厚生年金をあわせて受け取ることができます。
 
(2)老齢厚生年金と遺族厚生年金
65歳以上で老齢厚生年金と遺族厚生年金を受ける権利のある人は、自身の老齢厚生年金が支給されます。ただし、老齢厚生年金よりも遺族厚生年金の年金額が多い場合は、その差額を受け取ることができます。
 

まとめ

1人1年金が原則ですが、65歳以降は、「障害基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と遺族厚生年金」などといった組み合わせが特例で認められています。選択に迷ったら年金事務所に相談するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金の併給または選択
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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