更新日: 2024.03.11 その他年金

65歳から75歳まで「年金受給額を増やすために」働きます!月に何万円稼ぐのが平均的ですか?

65歳から75歳まで「年金受給額を増やすために」働きます!月に何万円稼ぐのが平均的ですか?
多くのシニア世代が、年金受給額を増やすために働くことを選択しています。しかし、具体的な収入目標を設定する際には、平均的な稼ぎや条件を知ることが重要です。そこで、65歳から75歳までの世代が平均的にどのくらい稼いでいるのかを考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金収入を増やすために働くってどういうこと?

将来受け取る年金を増やすために働くということに疑問を感じる方もいるでしょう。しかし、実際に65歳以降も働くことで年金を増やすことは可能です。
 
その仕組みは厚生年金の支給額の決まり方にあります。簡潔に説明すると、加入期間が長ければ長いほど支給額が高くなります。加えて、加入期間中の収入が高ければ高いほど支給額も高くなります。
 
つまり、65歳以降も働いて加入期間を長くすることで、支給額が高くなる要件のうちの一つを満たすことができるというわけです。
 

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65歳から75歳の平均的な収入はどれくらい?

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、65歳から69歳の平均月収は25万7600円、70歳以降は23万8100円となっています(それぞれ男女計の数値)。
 
これは統計の1データであり、年金の受給額を増やすことを目的に働いている人だけに絞ったデータではありません。
 
しかし、厚生年金に加入しながら働くということは、基本的にフルタイムまたはほぼフルタイムのような状態で働くことになります。その点を考えると、年金の受給額を増やすために働く人も、収入額の平均は、上記のように24万円前後になるだろうと想定されます。
 
なお、雇用形態別に見ていくと、正社員・正職員においては65歳から69歳は29万6600円、70歳以降は27万2900円となっています。それに対して正社員・正職員以外の場合は65歳から69歳は22万900円、70歳以降は20万円となっています。
 
以上の内容から、非正規雇用で働くのであれば20万円が平均的な月収といえます。
 

年金がどのくらい増えるのか試算することも大切

単に年金受給額を増やすといっても、実際に増える額が想定どおりといかなければ、働く目的が達成できないかもしれません。
 
単に「1円でも増えればいい」という程度ならともかく、毎月の生活費に2万円は増やしたいなど具体的な目標があれば、それにあわせて働き方や働く時間を調整しなければなりません。
 
参考までに、1964年5月2日生まれで20歳から64歳まで会社員として年収450万円で働いてきた方が65歳から受け取れる年金額は193万円です。その後75歳まで年収200万円でパート・アルバイトとして働いた場合、70歳から受け取れる年金額は208万円となり、増える年金額は毎月1万2500円ほどとなります。
 
また、65歳から75歳まで年収300万円の正社員として働いた場合、70歳から受け取れる年金額は211万円となり、増える年金額は毎月1万5000円ほどとなります。65歳以降も働いたからといって、劇的に年金額が増えるわけではないことを覚えておきましょう。
 
また、厚生年金に加入できるのは原則70歳までです。一般的に40年程度厚生年金に加入して働いてきた方が純粋に年金額を増やしたいというのであれば、70歳までの就労で十分でしょう。
 

まとめ

働き方にもよりますが統計を参考にする限り、年金受給額を増やすために65歳から75歳まで働く場合、月に20万円から25万円程度の金額を稼ぐことが平均的だといえそうです。
 
とはいえ、厚生年金に加入できるのは原則70歳まであるため、75歳まで働いても年金額は毎月1万円少々の額しか増えず、劇的には変わりません。
 
年金額を増やすつもりで老後に働いても思うように年金額が増えるとは限りません。何円の収入で働けば何円年金額が増え、自分の目標とする年金額が達成できるかという観点からも考えていくことをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省 公的年金シミュレーター
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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