更新日: 2024.03.14 国民年金

無職だった頃に国民年金を「免除」してもらいました。このまま払わなかったら将来の受給額はどうなりますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

無職だった頃に国民年金を「免除」してもらいました。このまま払わなかったら将来の受給額はどうなりますか?
国民年金の保険料を20~60歳までの間、合計40年間納めた場合、年金は満額受給することが可能です。しかし、保険料を納めた期間や金額が少ないともらえる年金額が減ります。それでは、無職だったころに国民年金の支払いを免除してもらった人の場合はどのようになるのでしょうか。
 
今回は、国民年金の免除制度の概要や1年間全額免除だった場合どのぐらい年金受給額が減るのかについて解説します。
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保険料の免除制度とは?

国民年金保険料の免除制度とは、所得が一定額以下だったり失業したりした場合に保険料の支払いが免除される制度のことです。所得が減った場合の免除される額と承認基準は、以下のようになっています。
 

・全額免除の承認基準:前年所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」の範囲内であること
 
・4分の3免除の承認基準:前年所得が「88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」の範囲内であること
 
・半額免除の承認基準:前年所得が「128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」の範囲内であること
 
・4分の1免除の承認基準:前年所得が「168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」の範囲内であること

 
加えて、失業等による特例免除もあります。必要書類は、次の通りです。
 

・雇用保険の被保険者の場合:雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知または雇用保険被保険者離職票のコピーなどが必要
 
・事業の廃止(廃業)または休止の届け出を行っている人の場合:厚生労働省の総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写し、およびその申請時の添付書類の写し

 
保険料を免除されていた期間も老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格に参入されます。一方、未納のまま放置していると「老齢基礎年金を受け取れない」「障害を負ったり死亡したりしたとき、障害基礎年金・遺族基礎年金が受け取れない」といった事態に陥りかねません。このようなことを防ぐためにも、免除制度を活用するようにしましょう。
 
申請書類は、日本年金機構の公式サイトからダウンロードできます。申請先は、住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口、または家の近くの年金事務所です。なお申請書は、直接持参だけでなく郵送や電子申請も可能です。ただし、免除の場合は全額納付している場合に比べて将来の年金受給額は減ります。
 

将来の年金額は?

受け取れる年金額は、「79万5000円×(A+B+C+D+E/40年×12ヶ月)」の式で計算します。79万5000円は、2023年度の満額もらえた場合の年金額です。
 

Aは保険料納付期間
Bは保険料全額免除月数×2分の1
Cは保険料の4分の3免除月数×8分の5
Dは保険料の半額免除月数×8分の6
Eは保険料の4分の1免除月数×8分の7

 
そのため、例に挙げた人が2年無職で全額免除していて残りをすべて納付している場合、年金受給額は「79万5000円×(468ヶ月/480ヶ月)=77万5125円」となります。
 
468ヶ月という数字は、「保険料を納めた期間38年間=456ヶ月」と「免除されていた期間2年間(24ヶ月)×2分の1=12ヶ月」の合計月数です。免除を受けた場合でも、将来受け取れる年金額を増やしたいときは追納ができます。ただし、追納は10年以内となっているため、注意しましょう。
 

免除の額・期間によって将来の年金受給額は減額

無職時など、国民年金の支払いを免除した場合は全額納付している場合に比べて将来の年金受給額が減ります。満額の場合は79万5000円(2023年度)となり、もし2年間無職で全額免除だった場合の受給額は77万5125円です。将来もらえる年金額を増やしたい場合は、免除を受けてから10年以内に追納するようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
厚生労働省 日本年金機構 知っておきたい年金のはなし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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