更新日: 2024.03.29 その他年金

「年収800万円」の人が老後に受け取れる年金額とは?「年金だけ」でも生活できる? 老後の平均支出をもとに解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「年収800万円」の人が老後に受け取れる年金額とは?「年金だけ」でも生活できる? 老後の平均支出をもとに解説
老齢基礎年金の受給額は、国民年金保険料を納めた期間と減免された期間によって決まります。そのため、保険料を納めた期間と減免された期間が同じ場合は、会社員であっても、それ以外の人であっても差はありません。
 
しかし、老齢厚生年金の受給額は、厚生年金保険料を納めた期間とその間の年収によって異なるので、年収によっては差が大きくなります。それでは、平均年収が800万円の場合の年金額はいくらになるのでしょうか? また、その場合年金だけで生活できるのでしょうか?。
 
そこで本記事では、平均年収800万円の場合の年金額について解説していきます。そして、その年金だけで生活できるのかや、高齢者の生活費についても紹介するので老後の生活の参考にしてください。
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平均年収800万円の会社員の年金額

会社員が受け取れる年金は基本的に老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つです。ここでは老齢基礎年金は満額、老齢厚生年金は平均年収800万円の独身会社員として計算していきます。
 

老齢基礎年金

老齢基礎年金は保険料を納めた期間と保険料を免除された期間の合計が10年以上ある場合に受給資格を得ます。20歳から60歳まで保険料納付の義務があり、原則65歳から受け取れる仕組みです。
 
老齢基礎年金の満額は、令和5年度は年額79万5000円です。
 

老齢厚生年金

老齢厚生年金は老齢基礎年金の受給資格があり、厚生年金保険料を納めたことがある人が65歳から受け取れる年金です。老齢厚生年金は報酬比例部分、経過的加算、加給年金で構成されていますが、ここでは報酬比例部分のみを年金額として計算します。
 
報酬比例部分は「平成15年3月以前の加入期間」と「平成15年4月以降の加入期間」で計算式が異なります。そこで簡易的に平成15年4月以降の加入期間の計算式を使用します。平成15年4月以降の加入期間の計算式は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入期間の月数」です。
 
平均標準報酬額は事例の場合だと65万円、加入期間の月数は480月になります。このことから65万円×5.481÷1000×480月で、老齢厚生年金は年額で171万72円です。
 
老齢基礎年金の年額79万5000円と合わせると年間で250万5072円を受け取れます。「月額は20万8756円」です。
 

平均的な支出であれば生活可能

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月に14万3139円です。そのため、このデータに基づけば年金収入が月額20万8756円であれば、年金だけで生活ができます。
 
ただし、住居費は持ち家と賃貸で大きく異なり、医療費や介護費などが多くかかってしまうことも考えられます。あくまで生活費としては年金だけでまかなえる、と思っておくとよいでしょう。
 

万が一に備えて貯蓄もしておきましょう

平均年収が800万円の会社員であれば、年金だけで生活できる可能性は高いです。しかし、20歳から60歳までの平均年収が800万円の会社員は少ないと考えられます。現在の年収が800万円でも若い時期の年収が低ければ、年金額は少なくなる点には注意しましょう。
 
自分の年金額の目安を把握し、老後の生活をシミュレーションしておきましょう。
 
また、老後は生活費以外の医療費や介護費などが多くかかる可能性があります。万が一に備えて年金だけに頼るのではなく、年金生活が始まる前に貯蓄もしていくことをおすすめします。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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