更新日: 2024.04.05 国民年金
大学生で「学生納付特例」を受けています。今、「無年金」の状態なのでしょうか?
「学生で収入がないから国民年金保険料を納付できない」「社会人になれば納付できる」という人もいることでしょう。そのような人は、国民年金保険料の学生納付特例制度の申請を行いましょう。在学中の国民年金保険料の納付を猶予してもらえます。
本記事では、国民年金保険料の学生納付特例制度について、無年金とはどのような状態なのかなどを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国民年金保険料の学生納付特例制度とは?
国民年金保険料の学生納付特例制度とは、住民登録をしている市区役所、町村役場の国民年金担当窓口、最寄りの年金事務所、在学中の学校などに申請を行うことで、在学中の国民年金保険料の納付について猶予される制度です。
国民年金保険料の金額は、月額1万6980円(令和6年度)となり、日本国内に在住する20歳以上の人は納付が義務付けられています。
収入を得ていない学生が月額1万6980円を支払うのは決して簡単ではありません。そこで、国民年金保険料の学生納付特例制度を利用して、社会人になってから猶予分を追納することができるのです。
学生納付特例の対象者
学生納付特例の申請対象者は図表1のとおりで、所得が一定以下などの要件を定めています。
【図表1】
対象者 | 備考 |
---|---|
所得基準: 128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等以下 |
申請者本人の前年の年収 |
大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、 特別支援学校、専修学校および各種学校、 一部の海外大学の日本分校に在学する学生 |
夜間・定時制課程や通信課程の学生も含まれる |
各種学校に在学している学生 | 修業年限が1年以上の課程 |
海外大学の日本分校 | 日本国内にある海外大学の日本分校など、 文部科学大臣が個別指定した課程 |
※日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」より筆者作成
追納しなければ将来の年金受給額には反映されない
学生納付特例の承認を受けた期間がある場合、保険料を満額納付した場合と比べて受け取れる年金額が少なくなります。学生納付特例は、国民年金保険料の納付が免除される制度ではありません。猶予分を追納しなければ、将来の年金受給額に反映されない点に注意してください。
受給資格期間が10年以上なければ無年金の状態
老齢基礎年金は、年金を受け取るために必要な受給資格期間が10年以上ある場合、65歳から受け取れます。受給資格期間とは、以下の期間を合算した期間です。
・国民年金保険料を納付した期間や免除された期間
・厚生年金保険の加入期間
・カラ期間(合算対象期間)
したがって、10年未満の場合は受給要件を満たさず、無年金の状態になるため注意が必要です。
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国民年金保険料の追納制度で後払いが可能
学生納付特例の承認を受けた期間は受給資格期間に反映されますが、将来的に受け取れる年金額が減ることを避けたい場合は、追納制度を利用してみてください。
追納制度によって、国民年金保険料を過去10年までさかのぼって納付できます。将来の老齢基礎年金の受給額を増やせるだけでなく、社会保険料控除によって、所得税や住民税の軽減も可能です。
国民年金保険料を追納する方法
国民年金保険料を追納する場合、「国民年金保険料追納申込書」に必要事項を記入して、年金事務所に提出します(郵送でも可)。
厚生労働大臣の承認を受けたあとに、納付書が送られてきますので、最寄りの金融機関や郵便局、コンビニなどにその納付書を持参して支払います。ただし、口座振替やクレジットカードでの追納はできませんので注意してください。
老後資金を減らさないためにも年金の追納を検討しよう
国民年金保険料を納付する義務があるにも関わらず、学生で収入がない、アルバイト収入があってもお金の余裕がないという人に適した制度が学生納付特例です。在学中の国民年金保険料の納付を猶予してもらえる以外に、猶予を受けた期間は年金を受け取るために必要となる受給資格期間に含まれます。
ただし、学生納付特例制度は国民年金保険料の納付が免除される制度ではありません。追納をしないと将来受け取れる年金が低くなるため、社会人となり給料が入るタイミングで、猶予を受けた分の国民年金保険料を納付するようにしましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料 納付のご案内
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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