更新日: 2024.04.20 その他年金

2024年度の年金額・すべて68歳以下と69歳以上に分かれる?(4)

2024年度の年金額・すべて68歳以下と69歳以上に分かれる?(4)
2024年度の年金額について、68歳以下の人については「新規裁定者」(1957年4月2日以降生まれ)と「68歳既裁定者」(1956年4月2日~1957年4月1日生まれ)、69歳以上の人については「69歳以上既裁定者」(1956年4月1日以前生まれ)という用語を用いて前回まで解説してきました。
 
遺族年金のうち、遺族基礎年金の基本額は68歳以下の人(新規裁定者と68歳既裁定者)と69歳以上の人(69歳以上既裁定者)で金額が異なり、遺族基礎年金の子の加算額については新規裁定者の額のみとなっています。また、遺族厚生年金の計算方法も、68歳以下と69歳以上で異なります。
 
この遺族厚生年金を受ける妻のための制度として「加算制度」があります。第4回は2024年度のその遺族厚生年金の加算額について取り上げます。
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

中高齢寡婦加算は65歳未満の方が対象になる

40歳以上65歳未満の方で、遺族基礎年金が支給されていない妻が遺族厚生年金を受給しているというケースでは、当該遺族厚生年金に中高齢寡婦加算というものが加算されることがあります。
 
中高齢寡婦加算は、第1回で取り上げた遺族基礎年金(基本額)の4分の3の額で計算されます。加算対象が65歳未満の人のため、新規裁定者の額のみです。2024年度は、新規裁定者の遺族基礎年金(基本額)・81万6000円の4分の3である61万2000円(100円未満四捨五入)が加算額となります(【図表1】)。
 


 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

経過的寡婦加算は69歳以上のみ

一方、65歳以上の方で遺族厚生年金を受給している妻のための加算制度「経過的寡婦加算」というものがあります。この経過的寡婦加算とは、新規裁定者と既裁定者でそれぞれで加算額を定めることが制度上設けられていますが、1956年4月1日以前生まれの人を対象とした加算であることから、2024年度は69歳以上となる人に加算されます。
 
つまり、68歳以下(1956年4月2日以降生まれ)の人については2024年度に該当者がいません。したがって、全員が69歳以上既裁定者です。
 
69歳以上既裁定者の額として計算され、生年月日によって加算額が異なる経過的寡婦加算は【図表2】のAからBを差し引いて算出します。Aの額は69歳以上既裁定者の遺族基礎年金(基本額)・81万3700円の4分の3である61万300円(100円未満四捨五入)となり、Bの額は「61万300円(A)×生年月日に応じた数」で算出します。
 


 

新しい額になるのは、2024年6月14日振り込み分から

全4回で2024年度の年金額について解説しました。年金額の計算方法は複雑で、68歳以下の人と69歳以上の人で計算方法が変わるかは年金の種類によっても異なります。
 
2024年6月14日振込分(※2024年6月15日は土曜日のため前日の14日)から2024年度の額となりますので、支給される額を確認するとよいでしょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集