更新日: 2024.04.23 その他年金

令和6年度の年金額は「2.7%」引き上げ!受取額は「月額」どれくらい増える?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

令和6年度の年金額は「2.7%」引き上げ!受取額は「月額」どれくらい増える?
厚生労働省より、令和6年度の国民年金の受給額は2.7%の引き上げとなることが公表されました。年金は毎年見直されており、年金額を改定する際の改定率は賃金の変動率である名目手取り賃金変動率や物価変動率などを考慮して決められています。
 
そのため、年金の改定は、物価の上昇などその時々の社会情勢も少なからず反映されているともいえるでしょう。今回は、令和6年度の年金額や改定率などについてご紹介します。
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令和6年は年金額が月額1750円上昇している

厚生労働省が発表した資料によると、令和6年度の老齢基礎年金は、満額を受け取っている場合で月額6万8000円とのことです。令和5年度が月額6万6250円なので、1750円増額したことになります。
 
なお、昭和31年4月1日以前生まれの方は金額が異なり、老齢基礎年金は月額6万7808円です。
 
さらに、厚生年金の金額も平均的な収入を受け取っていた場合で令和5年度の月額22万4482円から令和6年度は23万483円と、6001円増額しました(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)。日本年金機構によると、老齢基礎年金額は以下の計算式を基に決められています。
 
・78万900円(平成16年度額)×改定率×保険料納付月数/480月
 
改定率は賃金や物価の変動率などを基に決定しています。令和6年度の改定率は、2.7%でした。
 

改定率の決定方法

年金額の決定に用いられる改定率は、名目手取り賃金変動率、物価変動率、マクロ経済スライド調整率を用いて決められます。
 
名目手取り賃金変動率は、2年度前から4年度前までの過去3年度平均の実質賃金変動率と前年の物価変動率、3年度前の可処分所得割合変化率を用いて計算されます。
 
マクロ経済スライド調整率とは、公的年金被保険者数の変動率と平均余命の伸びなどを考慮して決められた割合をいいます。賃金や物価の変動がプラスに傾く場合、使用する改定率からマクロ経済スライド調整率を控除して算出します。
 
さらに、名目手取り賃金変動率と物価変動率を比べた際、物価変動率が名目手取り賃金変動率よりも高いときは、名目手取り賃金変動率の数値を使用して計算します。令和6年度の各割合は以下の通りです。


・名目手取り賃金変動率:3.1%
・物価変動率:3.2%
・マクロ経済スライド調整率:-0.4%

結果より、名目手取り賃金変動率からマクロ経済スライド調整率を引くことになるため、令和6年度の年金額改定率は2.7%となりました。
 

年金保険料も増額している

年金保険料の金額は、平成16年の年金制度の改正により毎年段階的に引き上げられ、令和元年からは月額1万7000円となりました。実際に支払う金額は、1万7000円に名目賃金の変動を考慮して決められます。
 
厚生労働省によると、令和5年度は1万6520円とのことでしたが、令和6年度は月額1万6980円に変動しました。また、令和7年度の年金保険料は月額1万7510 円に設定されています。
 

年金の改定率は物価や名目手取り賃金の変動率などを基に決められる

令和6年度の年金額は、令和5年度に比べて2.7%の変動となりました。月額だと老齢基礎年金で1750円の上昇です。こうした改定率は、名目手取り賃金変動率や物価変動率などを考慮して決められます。
 
名目手取り賃金変動率と物価変動率のどちらが高いかで計算に使われる割合が異なる点が特徴です。また、年金保険料は名目賃金の変動を加味して決められます。
 

出典

厚生労働省 令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 2.7%の引上げです~ 令和6年度の年金額の例(1ページ)、【年金額の改定ルール】(2ページ)、【国民年金保険料について】(3ページ)
日本年金機構 年金Q&A(年金額の改定) Q 年金額はどのようなルールで改定されるのですか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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