今まで家計を支えていた夫が「60歳手前」で急逝。「専業主婦」だった私は年金を受け取れますか?

配信日: 2024.04.27

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今まで家計を支えていた夫が「60歳手前」で急逝。「専業主婦」だった私は年金を受け取れますか?
「自身が年金を受け取る前に夫が亡くなり、今後どうすればよいのか分からない」という、専業主婦の方々は少なくありません。その中でも特に、将来の年金はどうなるのかと、不安である方は多いでしょう。
 
そこで、夫が60歳手前で亡くなった場合、専業主婦の年金はどうなるのか、簡単に解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

遺族年金を受け取れる可能性がある

夫に生計を維持されている専業主婦の妻は、所定の要件の下、遺族年金を受け取ることができます。夫が自営業者であり、国民年金のみに加入している場合は、遺族基礎年金を受け取れ、また、厚生年金に加入している場合は、遺族厚生年金を受け取ることができます。
 
ただし、遺族基礎年金の受給対象者は、子(原則、18歳になった年度の3月31日までにある子)のある配偶者または子となっています。必ずしも遺族年金を受け取れるわけではないことに注意してください。
 
とはいえ遺族年金は、支給要件や対象者をはじめ、複雑な仕組みとなっています。詳細については常に最新の情報を確認するようにしてください。
 

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老齢年金も受け取れる

夫に先立たれた専業主婦の方々にとって、遺族年金に次いで関心の高い事項に、老齢年金があるでしょう。仮に「遺族年金が受け取れない」という場合も、自身の年金は通常どおり受け取ることができます。
 
専業主婦という場合、過去に正社員などで厚生年金に加入していたことのある場合を除いて、基本的には国民年金から老齢基礎年金を受給することになるでしょう。
 
ただし、遺族年金を老齢年金部分と併給するには、一定の制限がかかります。なぜなら、年金は「1人1年金」が原則となっており、支給事由が異なる場合でない限り、2種類以上の年金は受給できないようになっているからです。
 
老齢厚生年金と遺族厚生年金を受け取ることができる方の場合を例に挙げ、年金額の制限を具体的に見てみましょう。その際は自身の老齢厚生年金が優先され、遺族厚生年金は老齢厚生年金よりも高い場合に、その差額を受け取れるにとどまります。
 
老齢年金の併給が可能か、そして自分がどの年金を受け取れるかなども難しい部分です。この点についても確認を忘れないようにしましょう。
 

60歳までは年金保険料の納付義務がある

もう一つ忘れてはならないことに、年金保険料の納付義務があります。60歳より前に夫が亡くなり、遺族年金を受け取る場合であっても、少なくとも60歳までは年金に加入し、保険料を支払わなければなりません。
 
参考までに、令和6年度の場合、毎月1万6980円の国民年金保険料を支払う必要があります。年換算では20万3760円です。
 
国民年金保険料の額は、決して少ない額ではありません。夫の死後は遺族年金頼りで生活をしよう、と思う場合は、「国民年金保険料を少なくとも60歳までは支払いつづけなければならない」ということを念頭に置いて、計画を立てる必要があります。
 

まとめ

夫婦ともに60歳になる前に夫が亡くなったとしても、専業主婦の妻は一定の要件の下で、遺族年金を受け取ることができます。また、原則どおり65歳以降は、自身の老齢年金も受け取ることができます。
 
専業主婦にとって夫の死は、今後の生活を左右する重大な事項です。年金について不明なことがあれば、できるだけ早く年金事務所などへ相談することをおすすめします。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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