60歳から「月10万円」を稼ぐと、年金額はどれだけ増える? 受給額について“注意点”も踏まえ解説
配信日: 2024.04.30
本記事では、60歳から70歳まで月10万円働いて収入を得た場合、年金額がいくら増えるのかについて解説していきます。働きながら年金を受け取る際の注意点についても紹介するので、老後の働き方の参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
60歳以降も年金を増やせるのは老齢厚生年金
65歳から受け取れる年金は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」です。
老齢基礎年金は20歳から60歳までの40年間に保険料を納付した月数と保険料によって年金額が決まります。納付した月数は保険料を免除された期間も含まれます。60歳以降に働いたとしても老齢基礎年金が増えることは基本的にありません。
しかし、「老齢厚生年金は増やすことが可能」です。
老齢厚生年金は、報酬比例部分と加給年金、経過的加算で構成されています。この中で報酬比例部分は、給与や賞与が関係する厚生年金保険料によって決まるので、働けば働くほど年金額が増える仕組みです。
厚生年金保険に加入することが条件になるので、老齢厚生年金に加入していない場合は年金額が増えないことを覚えておきましょう。
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60歳から70歳まで月収10万円の仕事をすると年金額はいくらになる?
老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の厚生年金加入期間」です(平成15年3月以前の加入期間がある場合は「平均標準報酬額×7.125÷1000×平成15年3月以前の厚生年金加入期間」をプラス)。これを事例にあてはめると、10万円×5.481÷1000×(12ヶ月×10年)=6万5772円です。
年間6万5772円が増額されます。月額では5481円の増額です。少ないと感じるかもしれませんが、70歳から80歳までの10年間受け取ると65万7720円多く受け取れます。月10万円働いた場合でも長生きすれば受け取れる年金額は多くなります。
年金額を増やしたい人は、60歳以降も厚生年金保険に加入して働くことがおすすめです。
65歳以降に働く際の注意点
65歳以降も働く場合は注意点があります。それが、在職老齢年金制度です。
65歳からは基本的に年金を受け取ることになりますが、年金を受け取りながら働くこともできます。そのため、月収10万円の仕事をしながら年金を受け取ることも可能です。このように働きながら受け取る年金を在職老齢年金といいます。
しかし、在職老齢年金には注意が必要です。在職老齢年金には制限があり、年金額と収入が一定額になると年金の受け取りが全額、もしくは一部停止になります。年金の支給が停止になるのは、2024年度は基本月額(加給年金額を除いた報酬比例部分)と総報酬月額相当額(事例の場合は月の給与)の合計額が50万円を超えた場合です。
このことから、事例のように月収10万円で年金額も一般的であれば年金の支給が停止になることはないでしょう。しかし、働きすぎて収入が増えてしまった場合は注意が必要です。
老後の働き方について考え、年金額を増やしましょう
60歳以降も働くことで年金額を増やすことができます。毎月の収入を得るだけでなく、年金額も増やすことができるのでおすすめです。しかし、厚生年金保険料を納付する必要があるので、実際は月10万円の収入では手取り額は低くなります。手取り額がいくらになるのかを確認するようにしましょう。
老後の働き方について考え、年金額を増やすことをおすすめします。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー