63歳の専業主婦です。夫が年金受給者でも「遺族年金」は受け取れますか? 68歳で年金を「3年」しか受け取れず死亡してしまいました…

配信日: 2024.05.14

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63歳の専業主婦です。夫が年金受給者でも「遺族年金」は受け取れますか? 68歳で年金を「3年」しか受け取れず死亡してしまいました…
長年連れ添った配偶者が亡くなることは非常に悲しいことです。年金は一般的には65歳以降に受け取りが開始されますが、受け取り始めてすぐに亡くなってしまうと「支払った保険料に対して受け取る年金の金額が少なくて損をしたのでは?」と感じるかもしれません。
 
しかし、年金の受給中に亡くなった場合でも、要件を満たせば残された遺族に遺族年金が支給されます。本記事では、遺族年金の概要や、モデルケースでの支給金額などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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遺族年金はどのような場合にいくら支給されるのか

遺族年金にもいくつか種類がありますが、主に「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「中高齢寡婦加算」が挙げられます。それぞれの受給要件と受給金額をみていきましょう。
 

遺族基礎年金

遺族基礎年金とは、亡くなった人に生計を維持されている18歳未満の子どもがいる配偶者、または18歳未満の子どもに支給される年金です。なお、子どもが障害等級の1級または2級の場合、年齢の制限は20歳未満です。
 
遺族基礎年金の支給額は一律で年間81万6000円で、子どもが1人増えるごとに年金が加算されます。
 

【遺族基礎年金の支給額】

・基本額:81万6000円(2024年度)
・子ども1人目:23万4800円
・子ども2人目:23万4800円
・子ども3人目以降:各7万8300円

 

遺族厚生年金

遺族厚生年金とは、厚生年金に加入中の人や、老齢厚生年金を受給中の人などが亡くなった際に、亡くなった人に生計を維持されていた遺族に支給される年金です。遺族厚生年金の支給金額は次のとおりです。
 
平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数×3÷4
 
ただし、厚生年金の被保険者期間が300月未満の場合、加入月数は300月として計算がされます。
 
また、夫が老齢厚生年金を受給中で、妻が老齢厚生年金を受け取っていた場合、次の内どちらか高い方の金額が支給されます。
 

・夫の老齢厚生年金の4分の3の金額
・夫の老齢厚生年金の2分の1の金額と自身の老齢厚生年金の2分の1の金額の合計

 

中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算とは、夫が亡くなった当時、遺族基礎年金を受給しておらず、40歳以上65歳未満で生計を維持されていた妻に支給される年金です。なお、中高齢寡婦加算は生計を同じくしている子どもがいないことが条件です。
 
中高齢寡婦加算の支給金額は61万2000円で、妻が65歳になって自分の老齢基礎年金の受給が始まると支給はストップされます。
 

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遺族年金の受給金額シミュレーション

夫が68歳で亡くなった際に、ずっと専業主婦だった妻が次の条件で受け取れる遺族年金についてシミュレーションしてみましょう。
 

【条件】

・妻の年齢:63歳
・妻の老齢基礎年金:受給していない
・夫の平均標準報酬額:38万円
・夫の厚生年金被保険者期間:480ヶ月(40年間)
・子ども:20歳以上

 
まず遺族基礎年金については、子どもが18歳以上のため、支給はありません。
 
続いて、遺族厚生年金ですが、次の金額が受給できます。
 
38万円×5.481÷1000×480ヶ月×3÷4=74万9801円
 
最後に中高齢寡婦加算ですが、妻は63歳で遺族基礎年金を受給しておらず、専業主婦で生計を維持されていたため、61万2000円が受け取れます。
 
つまり、このケースでは遺族厚生年金と中高齢寡婦加算で合わせて約135万円が受給可能です。
 

まとめ

年金を受給し始めてすぐに亡くなってしまうと、「払い損」だと思う人もいるかもしれません。しかし、一定の条件を満たせば遺族は遺族年金を受け取れます。
 
遺族年金の計算方法や要件はやや複雑なため、自分の場合にどうなるか詳しく知りたい人は年金事務所に相談しましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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