更新日: 2024.05.31 国民年金
28歳、これまで一度も「年金保険料」を払ったことがありません!「過去分」を払うと受給額はいくら増える? 20歳から支払っていた場合の金額とも比較
本記事では、若いときの年金未払いが、将来もらえる年金額にどれほど影響するのかを解説します。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
28歳から働き始めた人の年金額はいくら?
これまで年金保険料を払ってこなかった人が、28歳から年金保険料を払い始めた場合を考えてみましょう。
将来もらえる年金は厚生労働省の「公的年金シミュレーター」で試算できます。これまでの年金保険料支払い状況やこれからの働き方と予想年収を入力することで、将来もらえる年金がわかるプログラムです。今回は以下の条件で試算しました。
●生年月日 1996年4月2日(28歳)
●20~27歳 年金保険料の支払いなし
●28~65歳 年収350万円の会社員として厚生年金保険料を支払い
●年金受給開始年齢 65歳
公的年金シミュレーターによって試算された年金額は年間143万円、月額に直すと11万9167円です。
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過去の年金保険料未納は将来の年金支給額にどれほど影響する?
過去の年金未納が、将来の年金支給額にどれほど影響するのか考えてみましょう。
まずは20~27歳までは無職またはパートやアルバイト勤務で、国民年金保険料をしっかり払っていた場合を考えます。公的年金シミュレーターでの試算によると、1年間にもらえる年金額は、年間160万円、1ヶ月あたり13万3333円です。国民年金を未納とせず、きちんと納付していれば、将来もらえる年金は月額1万4166円多いことがわかります。
20~22歳は国民年金保険料を支払い、23~65歳まで年収350万円で厚生年金保険料を支払っていたパターンはどうでしょうか。つまり世間的には大学卒業する年齢から、会社員として働き始めた場合です。
同様に公的年金シミュレーターを使うと、1年間にもらえる年金額は168万円、月額は14万円と試算されます。28歳まで一切年金保険料を支払ってこなかった場合との差額は月2万833円です。
27歳まで国民年金を支払わなかった場合の影響は、決して小さくないことがわかります。
過去の国民年金保険料は2年までさかのぼって支払える
国民年金保険料は納付期限から2年以内のものであれば、さかのぼって支払うことが可能です。
つまり本記事のケースでは26~27歳に支払うはずだった2年分の国民年金保険料を支払えます。さかのぼって支払った場合、もらえる年金額は年間147万円、1ヶ月あたり12万2500円です。1ヶ月に増額される年金額は少なく感じるかもしれません。しかし、もらえる年金額が一生涯3333円増えると考えると、「あのとき払っておいてよかった」と思う人も多いでしょう。
1ヶ月の保険料は2022年分が1万6590円、2023年分が1万6520円です。2年間で合計39万7320円に加えて、延滞料を支払わなければなりません。決して小さな負担ではありませんが、少しでも老後の安心を増やしたい人は、さかのぼって国民年金保険料を支払いましょう。
将来の年金支給額はまだ決まってはいない
ここまでのシミュレーションで、7年間年金保険料を支払ってこなかったツケは決して小さくないことがわかりました。またさかのぼって支払える保険料も2年までと限られており、支払ってこなかったことを後悔する気持ちも強くなるかもしれません。
ただし将来を悲観することはありません。まだまだ28歳と若いため、将来の年金額を増やすことは可能だからです。シミュレーションでは平均年収を350万円としましたが、平均年収を100万円あげて450万円にできれば、1年間にもらえる年金額は165万円まで増やせます。
また、将来の年金支給額が不安なのであればiDeCoやNISAといった制度を使って、老後資金を用意することもできるはずです。大切なのは過去を後悔するのではなく、将来どうするかを考えること。年収を増やす努力や貯蓄・資産運用による準備で老後の不安を払拭しましょう。
出典
厚生労働省 公的年金シミュレーター
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士