大学時代に猶予されていた年金保険料を払わないでいると将来の受け取れる金額もかなり減りますか? 初任給も低いし奨学金の返済もあって、払えそうにありません。
配信日: 2024.06.02 更新日: 2024.06.03
本記事では、大学時代に年金保険料が猶予されていてなおかつ追納しなかった場合に受け取れる将来の年金額がいくらになるかと、追納制度について解説します。金銭的な余裕ができたタイミングで年金保険料を納めたいと考えている人は、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金保険料が猶予されていた場合の年金額
国民年金の年金保険料は、20歳になった日本在住の人が必ず納めなくてはなりません。しかし、収入が少ない学生のための「学生納付特例制度」を利用すると、年金保険料の支払いが猶予されます。
しかし、猶予され続けていた年金保険料をそのまま払わなかった場合はどうなるのでしょうか。本項では、年金保険料が猶予される学生納付特例制度および猶予されていた期間に保険料を追納しなかった際の年金受給額について解説します。将来、いくらの年金を受け取れるのか見ていきましょう。
年金保険料納付が猶予される学生納付特例制度
学生でなおかつ一定の所得以下の人は、年金保険料の納付が猶予されます。注意したいのは、免除ではなく猶予であるということです。猶予期間は受給資格期間には算入されるものの、受給年金額には反映されません。
年金保険料納付を猶予していた場合の年金額
学生納付特例制度を利用して年金保険料が猶予された後、追納しなかった場合は将来どれくらいの年金額を受給できるでしょうか。以下で、令和6年度に受け取れる年金額を目安に見ていきましょう。
老齢基礎年金の受給額は【81万6000円×(保険料納付済月数÷480月)】で計算します。40年間年金を払い続けていた場合は、満額である年81万6000円を受け取れます。
2年猶予されていて追納しなかった場合に受け取れる年金額は、以下の計算で導き出せます。
81万6000円×(保険料納付済月数456月÷480月)=年77万5200円
たとえば、20~22歳の2年間で保険料納付が猶予されていた場合は、満額受給額に比べて年4万800円受給額が少なくなります。生涯で受け取れる年金受給額は、20年受給する場合であれば81万6000円少なくなるでしょう。
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年金保険料の追納制度
学生納付特例制度は年金保険料を猶予する制度であり、将来の年金受給額に算入されることはありません。将来受け取れる年金額を増やすためにも、追納制度を利用して年金保険料を納めましょう。
本項では、追納制度はいつまで利用できるのか・追納する年金保険料がいくらになるかについて解説します。追納を考えている人は参考にしてください。
追納制度はいつまで利用できるか
年金保険料を追納する際は、追納が承認された月の前10年以内が期限です。大学を卒業後、奨学金の返済等で年金保険料を追納する余裕がない場合は、急がなくてもよいでしょう。
追納することで社会保険料控除を受けられます。所得税・住民税が軽減されるため、節税にもつながるでしょう。
追納による保険料額の違い
追納する際は、保険料額が当時の金額とは違う点に注意しましょう。猶予を受けてから3年度以降に追納すると、加算額が上乗せされるからです。
平成26年度当時の保険料は1万5250円であったものの、令和6年度中に平成26年分を全額追納する場合は、1万5460円となります。当時よりも、210円加算されることになります。
金銭的に余裕ができたら猶予されていた分を追納しよう
学生納付特例制度によって年金保険料が猶予されているのに、追納しないでいると将来受け取れる年金額が減ってしまいます。追納制度を利用して、将来受け取れる年金額を増やしましょう。追納は10年以内であれば可能です。年金受給額を増やせるほか、社会保険料控除も受けられます。
しかし、3年度以上前の追納をする場合は加算額がある点に注意しましょう。金銭的な余裕ができたら、早めに追納してください。
出典
日本年金機構 年金の受け取りに関するパンフレット
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の変遷
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー