定年目前の父が急逝…残された母が「退職金」と「年金」を受け取れるのでしょうか?

配信日: 2024.06.06

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定年目前の父が急逝…残された母が「退職金」と「年金」を受け取れるのでしょうか?
定年まで仕事を頑張ってきた方にとって、退職金や年金は大きな楽しみといえます。
 
しかし、もしも定年間際で亡くなってしまった場合、本来受け取れるはずの退職金や年金はどうなってしまうのかと、疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
 
そこで今回は、定年を目前に夫が亡くなってしまった場合、妻が退職金や年金を受け取れるのかについて調べてみました。
FINANCIAL FIELD編集部

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定年間際で亡くなった夫の退職金と年金を妻がもらえるのか?

定年間際で夫が亡くなった場合、年金の一部を遺族年金として、また退職金の代わりに死亡退職金を妻が受け取れる可能性があります。一つずつみていきましょう。
 

死亡退職金

死亡退職金とは、労働者が亡くなった場合に支給される金銭的な給付です。死亡退職金は通常遺族に対して支払われ、残された家族の生活を支援する目的があります。
 
支給額や支給方法は、企業ごとの就業規則や契約内容によって異なりますが、死亡退職金の相場は一般的に通常の退職金と同程度と考えていいでしょう。
 
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、定年による退職金の平均額は次の通りです。
 

大学・大学院卒:1896万円
高校卒(管理・事務・技術職):1682万円
高校卒(現業職):1183万円
※勤続20年以上かつ45歳以上の退職者

 
定年間際の死亡退職金の相場は、会社の規定や学歴などにより異なりますが、およそ1000万円~2000万円であることが分かりました。
 

遺族基礎年金

遺族年金には、国民年金からなる遺族基礎年金と、厚生年金からなる遺族厚生年金があります。65歳で年金を受け取る前に夫がなくなった場合、残された妻は遺族基礎年金や遺族厚生年金を受け取れるケースがあります。
 
日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に、遺族基礎年金についてご紹介します。
 

【受給要件】

次のいずれかの要件を満たす場合に支給されます。
・国民年金の被保険者である間に死亡したとき
・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき

 

【受給対象者】

亡くなった方に生計を維持されていた次の方が受け取れます。
1.子のある配偶者
2.子
※子とは18歳になった年度の3月31日までの方、または障害年金1級・2級の状態にある20歳未満の方をいいます。
また、子どものいる配偶者が遺族基礎年金を受け取っている間、または子どもに生計を共にする父母がいる間は、子どもに遺族基礎年金は支給されないようです。

 

【支給額】

子のある配偶者が受け取る場合(令和6年4月分から)
・配偶者が昭和31年4月2日以降生まれ:81万6000円+子の加算額
・配偶者が昭和31年4月1日以前生まれ:81万3700円+子の加算額

 
子が受け取る場合
81万6000円+2人目以降の子の加算額
 
子の加算額については一人目・二人目は各23万4800円、三人目以降は各7万8300円です。

 

【寡婦年金】

子がいない、または成人している60~65歳の妻は寡婦年金として夫の老齢基礎年金の4分の3が支給されるようです。

 

遺族厚生年金

続いて、日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に、遺族厚生年金についてご紹介します。
 

【受給要件】

次のいずれかの要件を満たす場合に支給されます。
・厚生年金の被保険者である間に死亡したとき
・厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
・1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている方が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給権者が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき

 

【受給対象者】

亡くなった方に生計を維持されていた、1から順に優先順位の高い方が受け取れます。
1.子のある配偶者
2.子(18歳のなった年度の3月31日までにある方、20歳未満で障害年金1級または2級の状態にある方)
3.子のない配偶者
4.父母
5.孫
6.祖父母

 

【支給額】

・亡くなった方の報酬比例部分の4分の3

 

【中高齢寡婦加算】

夫が亡くなったときに生計を共にする子がいない、またはすでに成人している40歳以上65歳未満の妻は、中高齢寡婦加算として61万2000円(年額)が加算されます。

 

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子どもがいない56歳妻が受け取れる遺族年金額

子どもがいない56歳の妻は遺族基礎年金を受け取れず、寡婦年金の対象にもなりません。遺族厚生年金については、夫の比例報酬部分が100万円とした場合、妻が受け取れるのは比例報酬部分の4分の3である75万円です。
 
さらに、中高齢寡婦加算の対象となるため61万2000円が加算され、75万円と合わせて年間で136万2000円、ひと月におよそ11万3500円を遺族厚生年金として受け取ることができます。
 

定年間際に夫が亡くなると妻は死亡退職金と遺族年金を受け取れる

定年間際に夫が亡くなった場合、本来受け取れるはずの退職金や年金の一部は、死亡退職金や遺族年金として妻が受け取れる可能性があります。
 
死亡退職金が支給されるかどうかや金額については、会社の規定や契約内容により異なりますが、もらえる場合の相場としては通常の退職金と同程度となっているようです。遺族年金については、これまでの加入状況などにより支給される期間や金額は異なります。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況(17ページ)
日本年金機構
 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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