更新日: 2024.06.15 その他年金

公務員の「平均年金月額」とは?大企業の役員クラスより高いの?

公務員の「平均年金月額」とは?大企業の役員クラスより高いの?
年金の支給額が多いといわれる公務員ですが、実際のところ、どれくらいの額をもらえるのでしょうか。大企業の役員クラスと比較した場合、多いのか少ないのか、気になる方もいるはずです。
 
そこで、公務員の平均年金月額を、大企業の役員クラスと比較してみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

公務員の年金額はどれくらい?

公務員の例として、国家公務員の年金額について見ていきましょう。国家公務員の年金制度は、主に退職等年金給付と厚生年金との2つになります。
 
まずは、そのうち公務員特有の、退職等年金給付を確認していきましょう。下記の条件で試算していきます。


・現役時代の平均的な給与は月額40万5000円
・働いていたのは20歳から60歳の40年間(平成27年10月以降)
・年金の受給開始年齢は65歳から
・全期間の基準利率が0.02%
・有期退職年金の受取期間は20年を選択

国家公務員共済組合連合会によると、受け取る年金額は月額1万5058円となります。さらに、国家公務員には厚生年金も支給されます。厚生年金については、先の平均的なモデルケースを基に、下記のように設定します。


・1980年4月1日生まれ
・年収486万円で20歳から60歳まで就業

厚生労働省の公的年金シミュレーターを基に試算すると、受け取る厚生年金額は年間184万円で、受け取る年金額の合計額はおよそ202万円となります。月額換算すると、約16万8333円です。
 

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大企業の役員クラスの受け取る年金額は?

WEB労政時報によれば、大企業の役員クラスの年収は、おおよそ2000万円だと想定されます。しかし、役員クラスの平均年齢は、おおよそ60歳でほぼ定年後です。
 
そのため、いくら年収が高くとも、そのような高年収で厚生年金に加入しているのはごく短期間でしょう。そこで、役員クラスの受け取る年金は、仮に下記のような条件で計算してみます。


・1980年4月1日生まれ
・年収990万円で20歳から60歳まで就業

同じく厚生労働省の公的年金シミュレーターを基に試算すると、受け取る年金額は年間277万円です。月額換算すると、約23万833円です。
 

なぜ公務員より、大企業の役員クラスの方が、年金額が高いの?

かなり簡易的な試算とはいえ、大企業の役員クラスの方が、公務員よりも年金額が高いことが分かりました。その理由は収入にあります。
 
基本的に、公務員も大企業の役員クラスも、加入する年金は厚生年金です。厚生年金は、収入が高ければ高いほど、将来の受取額も高くなります。公務員よりも大企業の役員クラスの方が、収入が高いため、年金も高くなっていると想定されます。
 
また、公務員の年金は高いといわれますが、現在は厚生年金と共済年金(過去公務員が加入していた年金制度)は一元化されています。こういった理由から、公務員より大企業の役員クラスの年金の方が、高くなっているのでしょう。
 

まとめ

平均的な年収で比べれば、公務員よりも大企業の役員クラスの方が、年金額は高くなることが想定されます。とはいえ絶対ではありません。将来受け取る年金額は、さまざまな事情によって変動します。
 
今回の試算はあくまでも参考程度にとどめ、自分の年金の受取額について考えてみましょう。
 

出典

国家公務員共済組合連合会 令和5年10月からの基準利率と年金現価率
株式会社労務行政 WEB労政時報 2023年12月22日発行 労政時報本誌 4069号 014頁 特集1:本誌特別調査2023年役員報酬・賞与等の最新実態
厚生労働省 公的年金シミュレーター
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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