更新日: 2024.06.27 厚生年金
定年退職後も5年間は再雇用で「厚生年金」に加入を続ける予定です。受け取れる年金はいくら増えますか?
もし自分が実際に受け取れる具体的な金額を知りたいのであれば、「ねんきんネット」の利用も検討しましょう。今回は、老齢厚生年金の求め方や再雇用で5年働いた場合に増える金額などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
老齢厚生年金額の求め方
老齢厚生年金額は、平均標準報酬月額(賞与を含む平均月収額)と厚生年金の被保険者期間によって決まります。もし平成15年4月以降に厚生年金へ加入したとすると、老齢厚生年金額の計算の基礎となる「報酬比例部分」の計算式は以下の通りです。
・平均標準報酬額×0.005481×厚生年金保険の加入期間月数
平均標準報酬額は、各月の標準報酬月額と標準賞与額の合計を加入月数で割って求めます。なお、平成15年3月以前の加入期間がある場合は計算式が異なるので注意が必要です。
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60歳まで働いたときの年金額はいくら?
今回は、以下の条件で60歳まで働いたときに受け取れる年金額を求めます。
●平均標準報酬額が20万円
●22歳から厚生年金に加入
●厚生年金に加入した年は平成15年4月以降
●国民年金は全期間納付済み
●老齢基礎年金額は、日本年金機構「令和6年4月からの年金額等について」を基に、令和6年度の額で算出
●報酬比例部分がそのまま老齢厚生年金額
まず、国民年金を欠かさず納めているため、老齢基礎年金は満額受給できます。令和6年度における満額のときの老齢基礎年金額は月額6万8000円、年間81万6000円です。厚生年金には22~60歳の38年間(456ヶ月)加入しています。これらの条件を基にすると、報酬比例部分を求める式は以下の通りです。
・20万円×0.005481×456ヶ月
計算すると、老齢厚生年金は49万9867円受け取れます。実際に受け取るのは老齢基礎年金との合計額なので「81万6000円+49万9867円」となり、60歳まで働いたときに受け取れる年金額は131万5867円です。月額だと約10万9656円受け取れます。
再雇用後5年間働いたときに増える年金額
再雇用後も平均標準報酬額が変わらなかったとして、5年間働いたときの増加額を計算しましょう。5年間働くと、厚生年金の加入月数は60ヶ月増加します。
60ヶ月加入した場合の報酬比例部分は「20万円×0.005481×60ヶ月」となり、5年間働いたことで増える年金額は年間6万5772円です。先に計算した老齢厚生年金額と合わせると、65歳まで働けば56万5639円の老齢厚生年金を受け取れます。
老齢基礎年金額は変わらないため、合計して年間138万1639円、月額約11万5137円の年金を受給可能です。なお、60歳までの間に平均標準報酬額が変われば金額も変動します。
自分の受給予定額を知りたいときはねんきんネットを活用する
より具体的な年金の受給金額を知りたいときは、ねんきんネットも活用しましょう。ねんきんネットでは、国民年金や厚生年金の加入期間、納付金額、受け取れる予定の金額などを確認できます。パソコンやスマートフォンから閲覧できるため、気になったタイミングで気軽に利用できるシステムです。
ねんきんネットを利用するためには、マイナポータルと連携するか、ユーザーIDを取得する必要があるようです。
平均標準報酬額が20万円の場合、再雇用後5年間勤務すると年金が6万5772円増える
老齢厚生年金は、会社に勤めて厚生年金に加入していた期間が長いほど多く受け取れます。もし平均標準報酬額が20万円で22歳から加入していれば、老齢厚生年金額は60歳までで約49万9867円です。
さらに、60歳で定年退職後に再雇用制度を利用して5年間働くと、6万5772円増額し、56万5639円の老齢厚生年金を受け取れます。実際に自分がどれだけ受け取れるのかは、ねんきんネットを利用して確認しましょう。
出典
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー