月収が手取り12万円で、国民年金の保険料が高すぎて払えません。「滞納」しか残された道はないのでしょうか…?
配信日: 2024.07.23
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
国民年金保険料は何円?
「国民年金保険料の支払いがきつい」と思っている方は少なくないでしょう。実際、令和6年度の国民年金保険料は月額1万6980円です。年間でおよそ20万円となり、いかにその金額が大きいかが分かるでしょう。
月収12万円の方にとっては、この年金保険料は、毎月手取りの14%に相当する金額です。12万円の中からこの保険料を払えば残額は10万円ほどとなり、健康保険税や家賃、光熱費を考えると、生活は非常に苦しいものとなるでしょう。特に一人暮らしをしているような場合、払えないというのも無理はありません。
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年金には免除や猶予の制度がある
国民年金保険料は、毎月支払っていくことが原則です。しかし、所得が低くそれが難しいという場合、「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」という制度を用いて、支払いの免除・猶予を受けることができます。
「免除」とはその名のとおり、支払いが免除されるものです。免除には所得含む所定の条件に応じて、「4分の1免除」から「全額免除」までの4段階があります。また、同様に「猶予」とは支払いが猶予されるもので、後日追納が必要になります。
免除と猶予は、ともに所得(収入から各種控除を差し引いた金額)が一定額以下でなければなりません。
仮に、年間で受けられる控除が103万円としましょう。例えば月収15万円、手取り12万円、年収換算で180万円を得ている方の場合、この103万円の控除を受けると、年間の所得は77万円です。4分の3免除であれば、十分可能な額になります。
4分の3免除に該当するには、88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲内に所得があればよいとされています。手取り12万円であれば十分に該当します。
なお、「国民年金保険料が支払えないから」と放置すると、最悪の場合、自身の財産が差し押さえられる可能性もあります。「支払いが困難だから」と放置せず、絶対に免除や猶予を受けるようにしてください。
免除や猶予を受ける場合の注意点
免除や猶予を受ける場合に注意しなければならないのは、免除や猶予を受けると、それに応じて将来受け取る年金額が減少する、ということです。
参考までに、国民年金保険料を40年間満額収めていた場合、受け取れる年金は令和6年度において、年間で81万6000円です。それに対して、40年間全額免除となった場合の年金額は、同年度において40万8000円となります。
また、もう1つの注意点として、「免除や猶予は別途手続きが必要だ」という点も、覚えておくべきです。申請手続きは、最寄りの年金事務所ないし住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口になります。
申請に当たっては、申請書の他、基礎年金番号通知書のコピーまたは年金手帳(氏名の記載ページ)のコピーなどが必要になります。また、場合によっては前年ないし前々年の所得を証明する書類が必要になることもあります。
そして、申請書類は直接窓口へ提出するほか、郵送や電子申請によって提出することもできます。
そういった事柄を踏まえると、申請に当たっては、一度最寄りの年金事務所へ相談してみることをおすすめします。
まとめ
月収12万円となると、国民年金保険料を払うことも困難でしょう。しかし、支払いが困難だからと国民年金保険料を滞納してしまうと、最悪差し押さえがなされる可能性もあります。
国民年金保険料の猶予や免除を受けるには、手続きが必要です。手続き漏れになることや、手続きが間に合わず滞納状態となることを防ぐためにも、国民年金保険料の支払いがきついと感じたら、速やかに最寄りの年金事務所などへ相談するようにしてください。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者:柘植輝
行政書士