更新日: 2024.07.28 その他年金

40歳から「時給1300円・1日6時間・週3日」でパートの予定です。これまで専業主婦でしたが、将来の“年金額”はどれだけ増えますか? これから60歳まで働くつもりです

40歳から「時給1300円・1日6時間・週3日」でパートの予定です。これまで専業主婦でしたが、将来の“年金額”はどれだけ増えますか? これから60歳まで働くつもりです
いままで専業主婦(夫)を続けてきた人が、子どもが小学生になったことをきっかけにパートやアルバイトを始めるケースは少なくありません。現時点で経済的に大きく困っていなくても、これから子どもの教育費などが増えていくため少しでも家計収入を底上げしたいと考える人もいるでしょう。
 
本記事では、40歳の妻が「時給1300円・1日6時間・週3日」の内容でパートを始め、仮に60歳まで働いて90歳まで生きると老後の年金も増えるのか解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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世帯年収は20年間でいくら増える?

先ほどの条件で妻がパートを始めると、1ヶ月4週として、月収は9万3600円です。40歳から60歳まで同じ条件で働き続けると、年間112万3200円、20年間で2246万4000円の収入を得られる計算です。「ちりも積もれば山となる」という言葉があるように、長期的には無視できない金額となることが分かります。
 
ただし、実際には所得税や住民税、社会保険料などが控除されるため、手取り金額は額面よりも下がります。また、夫の仕事環境が変化して給料が下がる可能性もゼロではありません。そのため夫婦共働きになると必ず世帯年収が上がるわけではないので要注意です。
 

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老後にもらえる年金を増やすには?

「働いて給料を得ると老後に受け取る年金も増える」と言われることが多いですが、これは一般的に厚生年金保険料を納付することで、受給資格を得られる老齢厚生年金が関係しています。
 
老後にもらえる公的年金は主に老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類があり、前者の年金額は保険料を満額納付していると月額6万8000円(2024年度)です。後者は加入期間や納付する保険料額によって変わり、基本的には加入期間が長く保険料を多く納付するほど年金額も上がる仕組みになっています。
 
ただし、会社員として働けば必ず厚生年金に加入するわけではありません。パートやアルバイトはフルタイムで働く人よりも労働時間が短いことが少なくありませんが、短時間労働者の場合は次の3つの要件を全て満たすと被保険者となります。
 

・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金月額が8万8000円以上
・学生ではない

 
今回は賃金月額と「学生ではない」要件は満たしますが、週の所定労働時間が18時間であるため、厚生年金への加入義務はありません。そのため厚生年金への加入義務要件を満たしたい場合は労働時間を「1日7時間以上」にすることも検討してみましょう。
 

いまから厚生年金に加入すると年金はいくら増える?

厚生年金に加入するため労働時間を当初より1時間長くして「時給1300円・1日7時間・週3日」の条件で働く場合、65歳から90歳までに受け取れる年金額はいくら増えるのでしょうか。今回は話を分かりやすくするために、平均標準報酬額は11万円で、老齢厚生年金は報酬比例部分のみで算出してみます。
 
年金額計算の基礎となる報酬比例部分は加入期間によって計算方法が異なり、今回は「2003年4月以降」の計算式である「平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数」が適用されます。
 
平均報酬額11万円と加入期間20年(240月)を当てはめて計算すると、老齢厚生年金を年間約「14万4698円(月額約1万2058円)」受け取れます。
 
65歳から90歳まで25年間受け取ると、総額361万7450円となります。この金額が多いかどうかは人それぞれ考え方や価値観が異なるので一概にはいえませんが、長生きするほど無視できない金額となるでしょう。
 

まとめ

本記事では、パートを始めると世帯年収や老後の年金は増えるのか解説しました。考え方や価値観は人それぞれですが、働いて給料を得ると家計の財政基盤強化につながり、厚生年金に加入すると老後に受け取る年金が増えます。
 
短期的には金額が少なくみえても、長期的には無視できない規模となることも珍しくありません。軽視せずにコツコツ続けることも大切です。
 

出典

日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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