友人が「月30万円」の年金を受け取っているそうです。現役時代はいくらの収入があったのでしょうか? 自分よりかなり多くて驚きました

配信日: 2024.08.07

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友人が「月30万円」の年金を受け取っているそうです。現役時代はいくらの収入があったのでしょうか? 自分よりかなり多くて驚きました
基本的に65歳以降から受け取れる公的年金ですが、多くの人が気になるのが自分や周囲の人の年金額ではないでしょうか。老齢基礎年金の受給金額は保険料を納めた期間によって決まり、老齢厚生年金は現役時代の収入によって変化します。
 
それでは、友人がもらっている月30万円の年金を受け取るためには、現役時代にいくらの年収が必要なのでしょうか? また、年収以外で年金を月30万円にできる方法があるのでしょうか?
 
そこで本記事では、「月30万円の年金を受け取るために必要な収入」について解説すると共に、年金を増やすことができる方法について紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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月30万円の年金を受け取るためには

厚生年金の加入期間がある人は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できますが、その合計が月30万円になるための収入を計算してみましょう。まず、老齢基礎年金は満額受け取れる場合、2024年度は年間で81万6000円です。月額は6万8000円になります。
 
月30万円の年金を受け取るためには、老齢基礎年金で月6万8000円受け取れる場合は、残りの23万2000円を老齢厚生年金で受け取る必要があります。老齢厚生年金の年金額は、「報酬比例部分」「加給年金」「経過的加算」の合計です。ここでは簡易的に報酬比例部分のみで計算します。
 
報酬比例部分の計算方法は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入期間の月数(平成15年4月以降の加入期間の場合)」です。22歳から60歳まで会社員として働いた人を考えると、平均年収が1336万6740円なければ受け取れません。月30万円の年金を受け取ることは簡単なことではないといえるでしょう。
 

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繰下げ受給制度を利用することで年金額を増やせる

月30万円の年金を受け取るためには現役時代に平均年収が1000万円を超えなければいけませんが、年収が低くても月30万円の年金を受け取れる方法があります。その方法とは、年金の繰下げ受給制度を利用することです。
 
繰下げ受給制度は年金の受け取り時期を遅らせることで年金額を増やせます。例えば、70歳0ヶ月まで受給時期を遅らせると、42%も年金額を増やすことが可能です。この制度を利用することで現役時代に平均年収が1000万円を超えなかったとしても、月30万円の年金に近づけられます。
 
70歳0ヶ月まで繰下げる場合は月21万1000円(6万8000円の老齢基礎年金と14万3000円の老齢厚生年金)、繰下げ上限の75歳0ヶ月の場合は月16万3000円(6万8000円の老齢基礎年金と9万5000円の老齢厚生年金)の年金額があれば、月額30万円を受け取ることが可能です。
 
令和6年度の標準的年金額は16万2000円なので、年金の受給開始を75歳まで繰り下げれば月30万円の年金を受け取ることも現実的といえそうです。
 

メリットとデメリットを理解し、うまく制度を活用しましょう

月30万円の年金を受け取るためには現役時代に多くの年収が必要です。60歳までの平均年収が1300万円ほどなければ月30万円の年金額にならないので、誰でも目指せる金額とはいえないでしょう。
 
しかし、年金の繰下げ受給制度を利用すれば、標準的な年金額を受け取る人でも月30万円の年金額に近づけることは可能です。繰り下げる年齢が75歳であれば、標準的な年金額だったとしても月30万円まで増額できます。
 
繰下げ受給制度は繰下げ受給の申請をするだけで年金額を増やすことができますが、繰下げ待機期間中に亡くなってしまうと年金を受け取ることができなくなるという注意点があります。メリットとデメリットを理解し、うまく制度を活用してください。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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