昨年亡くなった母は年金受給の「申請」をしていなかったようです。代わりに私が「未請求分」を受け取れますか?
配信日: 2024.08.14
今回は、年金の受給権があるものの受け取らないまま亡くなったときの年金の扱いや、未支給年金の申請方法などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金を受け取らずに亡くなったときの年金の扱い
年金を受け取る権利を有する方が亡くなると、本来受け取れるはずだった年金を、請求に基づいて一定範囲の遺族が受け取れるケースがあります。「未支給年金」と呼ばれ、亡くなった月の分までの年金を受給可能です。厚生労働省によれば、受け取れる遺族は以下の通りで、数字の順番が受け取れる優先順位です。
1 配偶者
2 子ども
3 両親
4 孫
5 祖父母
6 兄弟姉妹
7 上記のいずれにも該当しない3親等以内の親族
受け取る遺族に年齢制限はありません。ただし、受け取るためには「生計を同じくしていた」必要があります。また、未支給年金には時効が設定されており、5年以上経過した年金に関しては受け取れません。
配偶者または子どもが受け取る場合の条件
生計を同じくしているとは「同一生計」とも呼ばれます。厚生労働省の「未支給年金お手続きガイド」によると、未支給年金において配偶者または子どもが本人と生計を同じくしていると認められる条件は以下の通りです。それぞれの条件はいずれかに該当していれば問題ありません。
・本人の死亡日時点で住民票上同じ世帯に属していた
・本人の死亡日時点で住民票の世帯は異なるものの住所は住民票上同じだった
・本人の死亡日時点で住民票の住所も異なっていたものの起居を共にし、消費生活上の家計を同じくしていたと認められる
・単身赴任や就学といったやむを得ない理由で、本人の死亡日時点で住民票の住所が異なっていたもののその理由がなくなれば生活を共にしていたと認められる状態で、別居中も以下2つのような事実があったと認められる
1 本人から配偶者や子どもに対して、もしくは配偶者や子どもから本人に対して経済的援助があった
2 お互いの間で定期的に音信や訪問があった
例えば、夫婦関係であっても別居をしており経済的援助などもお互いにしていなかった場合は、未支給年金を受け取れない可能性があります。
ほかの親族が受け取る場合の条件
配偶者や子ども以外が受け取る条件は以下の通りです
・本人の死亡日時点で住民票上同じ世帯に属していた
・本人の死亡日時点で住民票の世帯は異なるものの住所は住民票上同じだった
・本人の死亡日時点で住民票の住所も異なっていたものの起居を共にし、消費生活上の家計を同じくしていたと認められる
・本人の死亡日時点で住民票の住所が異なるもののどちらかがもう一方に対して経済的援助が行われていたと認められる
条件のいずれかに該当していれば、受給対象になります。
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未支給年金の申請方法
未支給年金を受け取るためには、本人の死亡の届け出と未支給年金請求の届け出をする必要があります。日本年金機構によれば、各届け出をする際に必要な添付書類は以下の通りです。
死亡の届け出
・亡くなった本人の年金証書
・本人の住民票除票、戸籍抄本、自治体へ提出した死亡診断書のコピーか死亡届の記載事項証明書のいずれか
未支給年金請求の届け出
・亡くなった本人の年金証書
・戸籍謄本をはじめとする本人と請求する遺族の続柄を証明できる書類
・本人の住民票除票と請求する遺族の世帯全員分の住民票の写し(同一生計の証明書類)
・未支給年金を受け取る予定の金融機関の通帳
戸籍謄本や住民票は、本人が亡くなった日以降に発行されたものを用意しましょう。さらに、本人が年金を請求しないまま亡くなった場合は、年金請求の手続きも必要です。
なお、未支給年金を受け取った際、金額によっては受け取った方の確定申告が必要なケースもあるので、注意しましょう。
亡くなった本人に受給権があれば未支給年金を受け取れる可能性がある
もし本人が年金の受給権を有したまま申請せずに亡くなった場合、条件に該当する遺族は未支給年金を受け取れる可能性があります。ただし、生計を同じくしていなければ受け取れません。
未支給年金を請求する際に同一生計の証明書類を求められるので、なるべく早く準備しておきましょう。また、受け取った金額によっては自分で確定申告も必要になるケースがあります。
出典
厚生労働省 未支給年金お手続きガイド No.1-1 年金を受け取るための要件 遺族の要件(5ページ)、No.1-2 年金を受け取るための要件 生計同一関係の認定要件(6ページ)、 No.2-2 受取り内容 亡くなった方が年金を請求していなかった場合(8ページ)
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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