更新日: 2024.09.11 その他年金

自分がどれだけの「年金」をもらえるのか、正確に答えられますか?「年金受給額」の計算方法や、年金の種類を解説

自分がどれだけの「年金」をもらえるのか、正確に答えられますか?「年金受給額」の計算方法や、年金の種類を解説
毎月の給与から年金を支払っているものの、将来どれだけの年金をもらえるのか知らない方も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、年金受給額の計算方法や、種類ごとの違いを解説します。基礎年金、厚生年金、共済年金など、それぞれの仕組みや計算方法を説明し、将来の受給額を見積もるためのヒントを提供します。
FINANCIAL FIELD編集部

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公的年金制度の種類

日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2種類です。また、職業や扶養状況などにより、表1のように3つの被保険者種別に分かれています。
 
表1

種別 加入する制度 対象者 届出先
第1号被保険者 国民年金 農業者、自営業者、学生、無職など 市役所、町村役場
第2号被保険者 国民年金、厚生年金 会社員、公務員など 事業主が届出
第3号被保険者 国民年金 国内に在住し、第2号被保険者に扶養されている配偶者 第2号被保険者の勤務先経由で届出

出典:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」より筆者作成
 
公務員や私立学校教職員が加入する公的年金制度として共済年金がありましたが、現在は被用者の年金制度の一元化によって厚生年金に加入しています。
 
国民年金は、次の3種類に分かれています。

●老齢基礎年金
●障害基礎年金
●遺族基礎年金

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国民年金と厚生年金

公的年金制度は、国民年金と厚生年金に分かれており、それぞれ加入条件が異なります。
 
国民年金とは、基礎年金とも呼ばれる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度であり、日本年金機構が主体となって運営されていることが特徴です。また、すべての人に共通する基礎的な年金給付として「基礎年金」の給付をします。
 
国民年金の第1号被保険者となる際は届出が必要であり、次のような人が該当します。

●20歳以上60歳未満の人が日本国内に住所を有することとなったとき
●20歳以上60歳未満の人が厚生年金を脱退したとき
●20歳以上60歳未満の人が第2号被保険者の被扶養配偶者でなくなったとき

一方で、厚生年金とは、厚生年金保険の適用を受ける事業所に勤務する70歳未満の会社員・公務員が加入します。正社員として勤務している方だけでなく、正社員の労働日数の3/4以上勤務するアルバイト・パートの方も対象です。
 
厚生年金は、次の3種類に分かれています。

●老齢厚生年金
●障害厚生年金
●遺族厚生年金

国民年金の受給額

国民年金の受給額は、20歳から60歳になるまでの40年間を対象に、納付した月数や厚生年金の加入期間を基に計算されます。40年間の保険料を納めた場合、満額の年金を受けることが可能です。
 
昭和31年4月2日以後生まれの方の場合は、次の計算式で受給額を求められます。
 
・81万6000円円×保険料納付月数÷480ヶ月(40年)
 
国民年金の全額もしくは一部免除(4分の3、半額、4分の1)を承認されている期間がある場合は、免除月数を保険料納付月数に加えて計算します。

●全額免除月数:8分の4
●4分の1納付月数(4分の3免除):8分の5
●半額納付月数(半額免除):8分の6
●4分の3納付月数(4分の1免除):8分の7

厚生年金の受給額

厚生年金は、国民年金と異なり、平均給与と厚生年金の加入期間によって受給額が決定されます。厚生年金の受給額計算式は、次の通りです。
 
・平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数(平成15年4月以降に加入した場合)
 
また、厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、基礎年金月額を含む厚生年金の平均月額は、表2の通りです。
 
表2

平均月額
令和2年度 14万6145円
令和3年度 14万5665円
令和4年度 14万4982円

表は厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に筆者が作成
 
令和2年度から徐々に下がり、令和4年度においては平均年金月額が14万4982円となっています。
 

年金の受給手続き

年金は、受給資格期間が10年以上で、65歳以上の方が受給できます。65歳後に受給資格期間10年を満たす場合には、受給資格期間を満たしたときからとなります。受給資格がある方には、受給開始年齢に達する3ヶ月前に年金請求書が送付され、年金事務所で手続きを行わなければなりません。
 
また、障害年金及び遺族年金を受給する際は、それぞれ必要な条件と手続きが異なります。
 
障害年金は、加入期間中に病気やけがによって生活や仕事が制限された方が受給できる年金です。一方で、遺族年金は、被保険者が死亡した際に遺族が受給できる年金です。
 
どちらも加入期間や免除期間、納付状況などの条件があるため、市区役所または町村役場で事前に確認しておきましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢年金の請求手続き
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 障害年金
厚生労働省 令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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