友人は「年収1000万円」、私は「年収500万円」です。年収は倍の差がありますが、将来の“年金額”はどれだけ違うのでしょうか? あまり変わらないって本当ですか?

配信日: 2024.09.25

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友人は「年収1000万円」、私は「年収500万円」です。年収は倍の差がありますが、将来の“年金額”はどれだけ違うのでしょうか? あまり変わらないって本当ですか?
年収500万円と年収1000万円とでは、額面で倍の差があります。もっとも、手取り面では所得税といった税金や厚生年金保険料といった社会保険料が引かれてしまうので、倍までは差がないといえるでしょう。
 
それでは、将来受け取る年金は年収500万円と年収1000万円とでは倍も違うのでしょうか? いくら差があるのか気になる人もいるでしょう。
 
そこで本記事では、年収500万円と年収1000万円を比較した場合に、将来受け取る年金はいくら違うのか解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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老齢基礎年金は年収と関係ない

会社員の場合に将来受け取れる年金は基本的に老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つです。老齢基礎年金は20歳から60歳までの期間に納付した国民年金や厚生年金に加入した期間に応じて金額が決まります。
 
老齢基礎年金を満額で受け取れる場合は年間で81万6000円です(令和6年4月分から)。保険料納付期間や免除期間の合計が10年以上ある場合に受け取れる年金で、年収に関係なく40年間の保険料をすべて納めると誰でも満額で受け取れます。
 
老齢厚生年金とは、老齢基礎年金を受け取れる受給権者に厚生年金の加入期間があると上乗せで受け取れる年金です。老齢厚生年金は報酬比例部分、加給年金、経過的加算の3つによって構成されています。年収に大きく関係するのが報酬比例部分です。そこで本記事では報酬比例部分のみを計算し、簡易的に年金額を算出します。
 

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年金の合計額を比較すると、倍までの差はない

年収500万円と年収1000万円の会社員の年金額を比較した場合、老齢厚生年金部分で差がでます。
 
老齢厚生年金の計算式は、「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の厚生年金保険加入期間の月数(厚生年金の加入期間が平成15年4月以降の場合)」です。平均標準報酬額は、対象となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入期間で割った金額になります。
 
年収500万円の場合、41万6666円×5.481÷1000×456月(22歳から60歳まで働いた場合)=104万1388円(年額)です。年収1000万円の場合は、標準報酬月額の上限が65万円のため65万円×5.481÷1000×456月=162万4568円(年額)になります。その差は58万3180円です。
 
老齢基礎年金はどちらの場合も満額受け取るので、年収500万円と年収1000万円の場合の年金額の差は、年収では倍の差がありますが、年金額では老齢厚生年金分の年間58万3180円の差となります。倍も違うわけではなく、月額に換算すると「4万8598円の差」になります。
 

将来受け取れる年金額がいくらになるのか確認してみましょう

年収500万円と年収1000万円の会社員が受け取れる年金額の差は月に約5万円だということが分かりました。年収では大きな差がありますが、年金額では倍ほどの差はないようです。
 
もっとも、本記事では標準報酬月額について簡易的に計算したので、実際の差はさらに縮まることが予想できます。標準報酬月額は社会人1年目から厚生年金に加入している期間の報酬の平均で計算するからです。そのため、厚生年金に加入している期間の平均年収が500万円以下や1000万円以下であれば年金額は少なくなります。
 
標準報酬月額については「ねんきん定期便」にて確認できます。気になる人は将来受け取れる年金額がいくらになるのか確認してみましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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