更新日: 2024.09.26 その他年金

子どもが大きくなったので、「月収20万円」ほどでパートを考えています。「社会保険料」が数万円引かれるのを“もったいない”と感じるのですが、将来の年金額が増えるならお得でしょうか?

子どもが大きくなったので、「月収20万円」ほどでパートを考えています。「社会保険料」が数万円引かれるのを“もったいない”と感じるのですが、将来の年金額が増えるならお得でしょうか?
収入を増やしたくても社会保険料の負担が発生するため、仕事を制限している人もいます。これがいわゆる「年収の壁」です。しかし、社会保険料を負担することは、将来の年金を増やせるため、デメリットだけではありません。
 
そこで本記事では、社会保険料の負担と将来増える年金を比較し、何歳で得になるのかについて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金保険料は月に約2万円の負担に

社会保険に加入することで負担となる社会保険料は、「健康保険料」と「厚生年金保険料」の2つです。本記事では、将来増える年金額との比較をするので、厚生年金保険料の負担のみを計算していきます。
 
年収の壁の1つに、106万円の壁があります。以下の要件を満たすと社会保険に加入する必要があります。


・週の勤務時間が20時間以上あること
・働いている期間が2ヶ月を超える見込みがあること
・学生でないこと
・給与が月8万8000円以上であること
・従業員が101人以上の企業であること(令和6年10月からは51人以上)

5つの要件の中の1つに「給与が月8万8000円以上」とあり、これを12ヶ月分にした106万円が社会保険料を支払う基準となっているのです。
 
事例のように月20万円の収入の場合を考えると、年収は240万円になります。社会保険の加入要件を満たすので、保険料を支払わなければいけません。この場合の厚生年金保険料は「東京都在住で40歳」だとすると1万8300円です。
 

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20年間働いた場合は年金を月額約2万円増額できる

社会保険加入のメリットに年金を増やせることがあります。社会保険に加入して厚生年金保険料を支払うことで老齢厚生年金の受給対象となるので、将来受け取れる年金に老齢厚生年金を上乗せできるからです。
 
老齢厚生年金は、報酬比例部分、加給年金、経過的加算の3つで構成されています。その中で中心となるのが報酬比例部分です。ここでは簡易的に報酬比例部分のみで将来受け取れる年金を計算していきます。
 
報酬比例部分の計算方法は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の厚生年金保険加入期間の月数」です。
 
例えば、事例にあてはめて40歳から60歳までの20年間働いたとすると、受け取れる年金は「20万円×5.481÷1000×240ヶ月=26万3088円」になります。年間で26万3088円なので、月額では2万1924円の増額です。
 

82歳で元が取れる

年金保険料の負担は月に1万8300円なので、20年間支払うことを考えると合計で439万2000円の負担です。この金額を増額される年金の月2万1924円で割ってみると、200ヶ月になります。つまり、約17年で元が取れる計算です。
 
65歳から年金を受け取ることを考えると、82歳で年金の増額分が保険料の支払額を上回ります。それ以降は長生きすればするほど年金を受け取れるので、保険料を支払うこともメリットの1つと言えるでしょう。
 

保険料負担を含めて今後の働き方を考えてみましょう

社会保険料を支払うことは大きな負担になりますが、前記のように老齢厚生年金を増額可能です。もっとも、保険料の元を取るためには17年ほどかかってしまいます。長生きすればするほど得になりますが、元を取るには長いと感じる人もいるかもしれません。
 
社会保険料の中には健康保険料もあります。こちらも毎月の負担がありますが、多くの医療支援を受けられる点がメリットです。社会保険料の負担が損か得かを、簡単に判断するのは難しいですが、本記事を年収が増える場合の参考にし、今後の働き方について考えてみてください。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について
協会けんぽ 令和6年度3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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