更新日: 2024.10.02 その他年金

父が定年間際で急逝しました。残された母は「年金」や「退職金」をそのまま受け取れるのでしょうか?

父が定年間際で急逝しました。残された母は「年金」や「退職金」をそのまま受け取れるのでしょうか?
定年を迎えようとする中、不慮の事故や病気などが関係し、急逝してしまうケースもあるでしょう。突然父が亡くなってしまった場合、母一人だけが残されてしまい、生活が不安になるでしょう。特に気になるポイントとしては、「亡くなった配偶者の年金や退職金がそのまま受け取れるのか」です。
 
この記事では定年間際に配偶者が急逝した場合に受け取れる遺族年金の種類とあわせて、退職金の受け取り可否についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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定年間際に配偶者が急逝した場合に受け取れる遺族年金の種類

定年間際に配偶者が急逝した場合に受け取れる遺族年金には以下の2種類が用意されています。
 

・遺族基礎年金
・遺族厚生年金

 
各遺族年金の詳細について、詳しく見ていきましょう。
 

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者が受給要件を満たしている場合に遺族が受け取れる年金です。受け取りの対象者は、亡くなった人によって生計を立てていた人となり、子のある配偶者や子どもが該当します。
 
遺族基礎年金の受給要件には4つの内容が定められており、日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」によると、詳細は以下の通りです。
 

・国民年金の被保険者である間に死亡したとき
・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき

 
遺族基礎年金の年金額は受け取る人によって金額が異なり、それぞれ表1のように定められています。
 
表1

受け取る人の要件 金額
昭和31年4月2日以後
生まれの方
81万6000円+子の加算額
昭和31年4月1日以前
生まれの方
81万3700円+子の加算額
子が受け取る場合 81万6000円+2人目以降の子の加算額
・1人目および2人目の子の加算額:各23万4800円
・3人目以降の子の加算額:各7万8300円

出典:日本年金機構 「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に筆者作成
 

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者が受給要件を満たしている場合に受け取れます。亡くなった人によって生計を維持されていた遺族が対象となり、基本的には配偶者や子どもが該当します。
 
日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」によると、具体的な受給要件は、以下の5つです。
 

・厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
・厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
・1級、2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている方が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき

 
遺族厚生年金の年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分に該当する金額のうち、4分の3が支払われると定められています。そのほかにも細かな内容や加算条件などが定められているため、正確な額を知りたい場合は、一度問い合わせてみるといいでしょう。
 

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退職金は会社の規定によって受け取り可否が異なる

退職金が受け取れるかどうかは、会社が死亡退職金制度を設けているかどうかで異なるようです。死亡退職金制度が設けられていれば、基本的には問題なく受け取れるとされています。
 
退職金を受け取る際は、相続税が発生する可能性がある点に注意しましょう。死亡退職金の非課税金額は500万円×法定相続人数となっており、この金額を超える分は相続税を支払わなければならないでしょう。
 

定年間際に配偶者が急逝した場合も遺族年金や退職金は支給される可能性が高い

配偶者が急逝した場合、受給要件を満たしている場合には遺族年金の給付を受けられます。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、それぞれに要件や金額が定められているため、確認してみましょう。
 
退職金についても、制度を設けている場合は支給される可能性が高いです。ただし、会社によって規定や制度は異なる場合があるため、不明な場合は一度問い合わせてみるといいでしょう。
 

出典

日本年金機構
 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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