更新日: 2024.12.09 その他年金

「年収500万円」で年金は繰り下げ予定。同年代で「年収800万円」の友人は60歳で「月21万円」受け取っているそうですが、何歳から受け取ればそれ以上受け取れますか?

「年収500万円」で年金は繰り下げ予定。同年代で「年収800万円」の友人は60歳で「月21万円」受け取っているそうですが、何歳から受け取ればそれ以上受け取れますか?
年金は基本的には65歳から生涯受け取れますが、受給開始年齢は60歳から75歳までの間で選ぶことが可能です。その場合、年金受給額は65歳を起点に、早めに受け取り始めると減り、遅らせると増えます。
 
本記事では、年収500万円の人が、年収800万円で60歳から受け取り始めた人の年金額を超えるのはいつになるのかシミュレーションします。
FINANCIAL FIELD編集部

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会社員が受け取れる年金は2種類

会社員の場合、「国民年金」と「厚生年金」の2種類に加入しており、老後に受け取れる年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金です。
 
老齢基礎年金の受給額は受給資格期間などの要件を満たしているかどうかで、老齢厚生年金の中でもメインの報酬比例部分は年収と厚生年金の加入月数によって決まります。
 

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ともに65歳から受け取り始めた場合の年金額

まずは、現役時代の平均年収が500万円の人と、800万円の人がともに65歳から年金を受け取り始めた場合の年金額を見てみましょう。
 
今回の前提としては、2人は同年齢で、20歳~60歳までの40年間、会社員として勤務したとします。
 
老齢基礎年金ですが、今回の場合は2人とも満額の81万6000円(2024年度)が年間の年金受給金額です。
 
続いて老齢厚生年金ですが、今回はメインの報酬比例部分のみを対象とします。報酬比例部分で受け取れる年間の年金受給額は次の式で求められます。
 
・報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の厚生年金加入月数
 
計算式に当てはめると、2人の報酬比例部分の金額は年額で次のとおりです。

●年収500万円:約107万9000円
●年収800万円:約171万円

老齢基礎年金と合わせると、年収500万円の人は約189万5000円、年収800万円の人は約252万6000円となります。
 

年金の繰上げ・繰下げ受給について

年金は原則65歳から受け取れますが、「繰上げ受給」や「繰下げ受給」を選択することで受け取り開始年齢の調整が可能です。
 
まず繰上げ受給ですが、65歳よりも1ヶ月受給開始年齢を早めるごとに年金額が0.4%減額されます。
 
続いて繰下げ受給ですが、65歳よりも1ヶ月受給開始年齢を繰り下げるごとに年金額が0.7%増額されます。
 

年収800万円の友人が60歳から受け取る年金額

今回の前提では、年収800万円の友人は、65歳からであれば年金を約252万6000円受け取れます。ただし、60歳から受け取った場合、減額率は24%ですので、年間の年金額は約192万円ですので、月額にすると16万円程です。
 

年収500万円の人の年金額が年収800万円の友人の年金額を超える時期

続いて、年収500万円の人が65歳から受け取る年間の年金額は約189万5000円です。
 
繰下げ受給の場合、66歳~75歳の間で年金受給開始時期を選べますが、66歳0ヶ月では65歳からの年金に8.4%の増額率が加算されます。65歳からの約189万5000円に増額率の8.4%を加算すると、約205万4000円となります。
 
そのため、66歳から年金を受け取れば、友人以上の年金を受給することが可能です。
 

まとめ

今回の前提では、66歳から年金を受け取れば、友人の年金額を超えます。ただし、年金の月額は超えたとしても、生涯で受け取れる年金額は寿命に大きく依存します。
 
最適な選択は個人の健康状態、資産状況、ライフプランによって同一ではありません。計画的な年金受給設計を行い、老後の生活を安心して過ごす準備を進めましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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