遺族年金の見直しで、子どもなし世帯は受給が5年間に?最新の改定案とは
配信日: 2024.12.25
今回は遺族年金の概要とあわせて、実際に出されている改定案をご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
遺族年金とは
遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなった場合に、被保険者によって生計を維持されていた人が受け取れる年金のことです。遺族年金は「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の2種類に分かれ、加入状況によって受け取れる年金が異なります。「遺族基礎年金」は国民年金の被保険者だった人が亡くなった場合、生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が受け取れるものです。対して「遺族厚生年金」は、厚生年金保険の被保険者が亡くなった場合に、生計を維持されていた遺族が受け取れるものとなっています。どちらを受け取る場合であっても、それぞれに定められた受給要件は満たしていなければなりません。また、加入状況によっては、どちらも受け取れる可能性がある点は覚えておきましょう。
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遺族年金の改定案にはどのようなものがある?
遺族年金の改定案のポイントとして、おもに男女差の解消があるようです。現行の制度では子のない男性には給付されないケースもありますが、改定案では40歳未満で子のない配偶者には、男女問わず原則5年の有期給付が検討されています。また、将来的には40歳未満の部分が、60歳未満まで引き上げられることも考えられているようです。あわせて、配慮が必要な人に向けては、65歳まで給付を継続するとの改定案も出ています。配慮措置の導入も改定案のポイントとされており、現行の遺族厚生年金額よりも有期給付加算で年金額を増額したり、婚姻期間中の厚生年金加入記録を分割して遺族の老齢年金を充実させたりすることなども案として出されているようです。
遺族年金の現行制度が適用される人は?
遺族年金の改定が行われた場合でも、以下に該当する場合は現行制度が適用されるとされています。
●20代から50代の18歳未満の子のある配偶者(子どもを養育する間)
●60歳以降の高齢期の配偶者
●施行日前に受給権が発生した者
なお、20代から50代の18歳未満の子のある配偶者の場合、子どもを養育する期間が過ぎた後は、原則5年の有期給付が行われるようです。その後、配慮が必要な場合には、継続給付の対象になるとされているので、この点も理解しておきましょう。
遺族年金で受け取れる金額
遺族年金で受け取れる金額は「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」でそれぞれ異なります。「遺族基礎年金」の場合、子のある配偶者が昭和31年4月1日以前に生まれているのであれば「81万3700円 + 子の加算額」が支給額です。それ以降に生まれている場合「81万6000円 + 子の加算額」が支給額となります。子の加算額については、1人目および2人目の子の加算額は各23万4800円です。3人目以降は7万8300円となります。なお、子が受け取る際の計算は「81万6000円+2人目以降の子の加算額」です。「遺族厚生年金」の金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。万が一、厚生年金の被保険者期間が300月未満の場合は、300月に換算して計算されることも覚えておくとよいでしょう。
遺族年金の改定案では男女差の解消や配慮措置の導入が検討されている
遺族年金は現行制度から、さまざまな見直しが検討されているようです。特に男女差の解消や配慮措置の導入が現状、改定案として提示されています。これらはあくまでも現時点での改定案であり、今後変わっていく可能性は十分に考えられるでしょう。そのため、どのように変更されていくのか、仮に自身が給付対象になった場合、どのような影響があるのかは注目したいポイントと考えられます。
出典
厚生労働省 遺族年金制度等の見直しについて②(3・4・7ページ)
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー