「遺族年金」って何? 「受給条件」や「年金額」についても詳しく解説。
配信日: 2025.03.26

成人前の子どもがいる場合などは、教育費用が掛かることもあり「受け取れるなら受け取りたい」と考える人もいるでしょう。
そこでこの記事では、家計を担っていた夫や妻が亡くなった場合、残された家族が受け取れる年金についてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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遺族年金とは
「遺族年金」とは、一家の家計を担う人や年金受給者などが亡くなったとき、家族に給付される年金のことをいうとされています。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなるまでの年金の加入状況などを基に、両方もしくはどちらかの年金が支給されるようです。
ただし、加入状況などは一人ひとり異なり複雑なため、詳しくは年金事務所や年金の相談センターなどに相談するとよいでしょう。
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遺族基礎年金
「遺族基礎年金」は、故人が国民年金の受給条件を満たした場合、故人の稼ぎによって生計を共にしていた「子のある配偶者」もしくは「子」が受け取れる年金とされています。
なお、日本年金機構によると、この場合の「子」に該当するのは、「18歳になった年度の3月31日までにある方」「20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方」を指すようです。
遺族基礎年金の受給条件
日本年金機構によると、遺族基礎年金の受給条件は以下のようになるようです。
1・「国民年金の被保険者である間に死亡したとき」
2・「国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき」
3・「老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき」
4・「老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき」
1と2の場合、保険料納付期間に関する条件があるため、受給の際は確認が必要です。3と4の場合は「保険料納付済み期間」と「保険料免除期間」もしくは「合算対象期間」を足して25年以上なければ支給されないようです。
遺族基礎年金の受給対象者と年金額
年金額は、受け取る人の状況により異なります。以下の表1にまとめました。
表1
条件 | 年金額 | |
---|---|---|
子のある配偶者が受け取るとき | 昭和31年4月2日以後生まれ | 81万6000円+子の加算額 |
昭和31年4月1日以前生まれ | 81万3700円+子の加算額 | |
子が受け取るとき | 81万6000円+二人目以降の子どもの加算額 ※加算額:一人目・二人目各23万4800円、三人目以降各7万8300円 |
※日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に筆者作成
遺族厚生年金
日本年金機構のホームページには、「遺族厚生年金」は「厚生年金保険の被保険者中または被保険者であった方が亡くなったとき、その方によって生計維持されていた遺族が受けることができます。」と記載されています。
なお条件を満たすことで、さらに「中高齢寡婦加算」「経過的寡婦加算」も支給される場合があります。
遺族厚生年金の受給条件
日本年金機構によると、遺族厚生年金を受給するための条件は次のようになります。
1・「厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき」
2・「厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき」
3・「1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき」
4・「老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき」
5・「老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき」
1と2の場合は、遺族基礎年金同様に保険料納付期間に関する条件があるため、注意が必要です。4と5の場合は「保険料納付済み期間」と「保険料免除期間」もしくは「合算対象期間」を足して25年以上なければ支給されないようです。
遺族厚生年金の受給対象者と年金額
日本年金機構によると、遺族厚生年金を受け取れるのは、故人の稼ぎによって生計を共にしていた人のうち、次の順番で上位の人です。
1・「子のある配偶者」
2・「子(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方。)」
3・「子のない配偶者」
4・「父母」
5・「孫(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方。)」
6・「祖父母」
なお支給額は、故人が受け取るはずだった老齢厚生年金のうち「報酬比例部分の4分の3」とされています。「報酬比例部分」は年金加入期間・過去の報酬などによって決まります。
定年後に亡くなった夫の年金は、条件を満たせば妻が受け取ることができる
定年後に夫が亡くなった場合、妻は条件を満たすことで「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」のどちらか一方もしくは両方を受け取れる可能性があります。
それぞれ条件や支給額などが異なるため、詳しく知りたい場合は、最寄りの年金事務所や年金相談センターに話を聞くとよいでしょう。
出典
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金を受けられるとき
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー