月収40万円ほどで会社員をしている68歳です。忙しくて老齢年金の手続きを全くしていませんが…後から年金を受けられなくなったりしませんよね?
配信日: 2025.04.06 更新日: 2025.04.07

しかし、年金を請求しないまま時間が過ぎると、時効消滅する部分が出てきます。本記事では、老齢年金の請求時期や請求方法について説明します。

執筆者:橋本典子(はしもと のりこ)
特定社会保険労務士・FP1級技能士
年金は自動では受給できない
年金は、受け取る権利が発生しても、請求をしなければ振り込まれることはありません。会社員の場合は、年金保険料を支払うときは給料から自動的に差し引かれますが、年金を受給するときは、自分で動かなければならないのです。
65歳からの年金
まず、老齢年金の種類を紹介します。65歳から受給できる年金に「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。
老齢基礎年金を受給できるのは、10年以上の受給資格期間がある人です。受給資格期間とは、保険料を納めた期間と免除された期間、合算対象期間を合わせたものをいいます。
老齢厚生年金は、10年の受給資格期間に加え、厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上ある人が受給対象です。
64歳以前からの年金
老齢厚生年金とは別に、64歳以下の人が受給可能な「特別支給の老齢厚生年金」もあります。特別支給の老齢厚生年金を受けられるのは、10年の受給資格期間を満たした上で、次の要件に該当する人です。
●1961年4月1日以前生まれ(女性は1966年4月1日以前生まれ)
●厚生年金加入期間が1年以上ある
特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は、受け取る人の生年月日により異なります。
年金には請求時効がある
老齢年金が受給できるようになっても、請求しないまま時間が過ぎていくと、時効消滅する部分が出てきます。「受給権発生から5年を経過した部分」については受給できなくなってしまうのです。
そうしたことのないよう、年金受給年齢が近づいてくれば、年金請求について知識を蓄える必要があるでしょう。
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年金の請求はいつ?
老齢年金の請求は、いつ、どのようにしたらよいのでしょうか?
特別支給の老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金が受給できる人には、受給開始年齢到達の3ヶ月前に、日本年金機構から、年金請求書と年金請求手続きの案内が自宅に送付されます。内容を確認の上、必要事項を記載し、受給開始年齢到達日(誕生日の前日)以後に手続きをしましょう。
老齢基礎年金と老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金を受給していた人が65歳になると、特別支給の老齢厚生年金の受給が終わり、代わりに老齢基礎年金と老齢厚生年金が受給できるようになります。これらの年金請求書(はがき型)が日本年金機構から送付されるのは、65歳の誕生月の初め頃です。なお、1日生まれの人には、その前月の初め頃に送られてきます。
特別支給の老齢厚生年金を受給していない人には、受給開始年齢到達の約3ヶ月前に、年金請求書が郵送されます。
老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の受給開始を繰り下げる人は別ですが、65歳からどちらか一方でも受給したい場合は、年金請求書に所定事項を記載し、年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。なお、電子申請の案内が送付された人は、電子申請でも請求可能です。
年金の請求が遅れると
年金の請求が遅れた場合、例えば、65歳で請求するべき年金を68歳になってから請求したときは「65歳到達月の翌月分以降の年金」を一括で受給することになります。
70歳を過ぎると時効消滅する部分が発生しますが、その場合でも時効消滅していない部分は受給可能です。
両方の繰下げをするときは
なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の受給開始を繰り下げたいときは、65歳到達時点では手続きをする必要はありません。この場合は、66歳以降、繰下げ受給を希望するときに手続きを行います。
まとめ
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則として65歳から(特別支給の老齢厚生年金は生年月日により64歳以前から)受給できます。老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の受給開始を繰り下げる場合を除き、年金請求書の送付を受けたらすみやかに請求したほうがよいでしょう。
年金は受給権発生から5年が経過すると時効消滅し、その部分は受給できなくなります。そのため、老齢年金の受給可能年齢が近くなったら、日本年金機構からの郵送物を放置したり読まずに廃棄したりせず、よく確認して確実に年金を受給しましょう。
出典
日本年金機構 老齢年金の請求手続き
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き
日本年金機構 65歳時の年金の手続き(特別支給の老齢厚生年金を受給している方)
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士