年金を「繰上げ請求」しなくても、64歳から「厚生年金・基礎年金」相当額を受給できる人がいるって本当ですか? 特別支給の老齢厚生年金の“2つの特例”とは
配信日: 2025.04.11

しかし、特別支給の老齢厚生年金にも2つの特例があり、その特例を満たした人は65歳前から繰上げ受給することなく基礎年金相当額も受給できるのを知っていますか?
本記事では、特別支給の老齢厚生年金の2つの特例について紹介・解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
特別支給の老齢厚生年金の2つの特例とは?
特別支給の老齢厚生年金とは、65歳前から受給できる老齢年金のことで、生年月日に応じた支給開始年齢から厚生年金の報酬比例部分のみを受給することができます。
ただし、「長期加入者の特例」と「障害者特例」という2つの特例のいずれかに該当する人は、厚生年金の報酬比例部分に加えて、定額部分として基礎年金相当額も65歳前から受給できるようになります。
「長期加入者の特例」の要件は以下の通りです。
・44年以上の厚生年金保険加入期間があること
・厚生年金保険の被保険者でないこと
「障害者特例の特例」の要件は以下の通りです。
・厚生年金保険法に定める3級以上の障害状態にあること
・厚生年金保険の被保険者でないこと
特例に該当したうえで、生計を維持されている配偶者または子がいる場合に支給される加給年金の要件を満たしている場合は、加給年金も65歳前から受給することができます。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
長期加入者・障害者特例の注意点
長期加入者の特例については、厚生年金被保険者期間と公務員共済や私学共済に加入している期間は通算しません。いずれか1つの期間のみで44年以上ある場合に限定されます。
つまり、民間企業で20年勤め、公務員共済に24年の加入歴がある人や、公務員共済と私学共済の被保険者だった期間が22年ずつある人などは、計44年の加入期間があるにもかかわらず特例の対象者とはなりません。
また、障害者特例を受けるためには、障害年金を受給している必要はありません。あくまでも基準以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。
なお、定額部分受給後に企業に就職するなどで厚生年金保険の被保険者になった場合は、定額部分は支給が停止されます。加給年金も受給していた場合は、加給年金も停止されます。
特例で受給金額はどれくらいになるのか?
定額部分は基礎年金相当額なので、64歳から受け取れる場合は約80万円、63歳からならば約160万円を受給することができます。
特例での定額部分の支給は、繰上げ受給とは異なり、減額されない年金額が支給されます。
また、加給年金の対象者(生計を維持されている配偶者や子)がいる場合は加給年金(配偶者の場合は約40万円、子ども1人の場合は約23万円)も併せて受給することができます。
まとめ
老齢年金の支給開始年齢は65歳からですが、長期加入者の特例または障害者特例という2つの特例の要件を満たした場合は、繰上げ請求することなく、特別支給の老齢厚生年金受給時に定額部分として基礎年金相当額も併せて受け取ることができます。
また、加給年金の対象となる子や配偶者がいる場合は、加給年金も65歳前から受給できます。自分が特例の要件を満たしているかどうか分からない人は、近くの年金事務所に問い合わせてみると良いでしょう。
出典
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 44年以上厚生年金保険に加入している特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給者が、退職などで被保険者でなくなったとき
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受けている方が、定額部分の支給開始年齢到達前に障害の状態になったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー