遺族厚生年金の「中高齢寡婦加算」と「経過的寡婦加算」って何が「違う」の?わかりにくい制度を噛み砕いて解説!
配信日: 2025.04.15

これらは遺族厚生年金を加算できる制度とされているようですが、受給条件を満たす必要があるため、確認が必要です。そこでこの記事では、それぞれの加算の違いや金額、注意点などを解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「中高齢寡婦加算」と「経過的寡婦加算」の目的
厚生年金の加入者が死亡すると、遺族厚生年金が支給されるといわれています。18歳未満の子どもがいる場合は「遺族基礎年金」も支給されますが、子どもがいない、または子どもが18歳以上の場合には遺族基礎年金を受給できないようです。
そのため、夫を亡くした40歳から65歳になるまでの妻を対象に「中高齢寡婦加算」が設けられています。さらに、65歳以上になると「経過的寡婦加算」に切り替わり、一定の金額が加算される仕組みとされているようです。
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中高齢寡婦加算とは
日本年金機構によると、「中高齢寡婦加算」は、夫の死亡時に40歳から65歳になるまでの間、妻が受け取る遺族厚生年金が加算される制度です。受給条件として「夫の死亡時に40歳から65歳未満であること」「生計を同じくする子がいない」といったことが挙げられます。
なお、厚生労働省の「遺族年金制度等の見直しについて」によると、令和6年度の中高齢寡婦加算額は年間約61万2000円(月額約5万1000円)です。これは、妻が65歳になるまで支給され、65歳以上になって年金を受給するようになると経過的寡婦加算に移行するといわれています。
経過的寡婦加算とは
「経過的寡婦加算」は、65歳以上の妻が受け取れる特例的な加算といわれています。中高齢寡婦加算が65歳で終了すると、その分年金額が減少するため、その影響を軽減する目的で設けられているようです。
加算額は生年月日により異なるようです。例えば、生年月日が昭和30年4月2日~昭和31年4月1日の人は、年間2万367円、昭和20年4月2日~昭和21年4月1日の場合は22万3792円、昭和10年4月2日~昭和11年4月1日の場合は39万4909円、そして大正15年4月2日~昭和3年4月1日の場合は、年間61万300円が加算されます。
「中高齢寡婦加算」と「経過的寡婦加算」の注意点
18歳未満の子どもがいて、妻が遺族基礎年金を受給し続けている場合、中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算は支給されません。
また、亡くなった配偶者との関係性が変わった場合にも注意が必要とされているようです。死亡した夫の配偶者が受け取ることができる制度であるため、婚姻関係が解消したら、受給の権利も失います。例えば、再婚すると受給資格はなくなるといわれています。
さらに、死亡した夫の厚生年金加入期間不足にも気をつけましょう。中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算を受給するためには、夫の厚生年金の加入期間が20年以上でなければなりません。
以上の通り、条件をしっかりと満たしていなければ対象者とならないため、全ての条件をクリアしているか注意しましょう。
遺族厚生年金の改正
専業主婦が多い時代に作られた遺族厚生年金制度は、子どもがいない夫は遺族厚生年金の受給がないなど、男女差がありました。そのため、社会状況の変化に伴い、遺族厚生年金制度は2025年に改定されるといわれています。
中高齢寡婦加算は、施行日以降は年度ごとに加算額を段階的に減らし、最終的に廃止が検討されています。その代わりとして、新たに「有期給付加算(仮称)」も検討されているようなので、これからの情報に注意しましょう。
遺族年金の加算制度を有効活用しよう
中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算は、遺族厚生年金を受給する際に重要な制度だと考えられます。夫を亡くした妻は、40歳から65歳になるまでの間「中高齢寡婦加算」を、65歳以上で「経過的寡婦加算」を受けることができるようです。
制度の内容をよく理解し、自身の状況に応じた受給を検討しましょう。受給条件を満たしているか不明な点があれば、年金事務所や社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。
出典
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
厚生労働省 遺族年金制度等の見直しについて
日本年金機構 年金給付の経過措置一覧(令和6年度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー