春の査定で給料が上がった結果、「月3万円」の余裕が生まれました。資産形成にまわそうと思うのですが、「iDeCo」と「NISA」どちらを優先すべきでしょうか?

配信日: 2025.06.11 更新日: 2025.10.21
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春の査定で給料が上がった結果、「月3万円」の余裕が生まれました。資産形成にまわそうと思うのですが、「iDeCo」と「NISA」どちらを優先すべきでしょうか?
それぞれ仕組みや運用方法が異なる「iDeCo」と「NISA」を、資産形成の手段として利用している方もいるでしょう。では、両方を利用したいと考えたとき、どちらを優先した方がメリットになるのでしょうか。本記事では、「iDeCo」と「NISA」のメリット・デメリット、向いている人の特徴を解説します。
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あらためて「iDeCo」と「NISA」の違いをおさらい

「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は自分で掛金を運用し、資産形成を行う年金制度です。もう一方の「NISA(少額投資非課税制度)」は少額から投資を行える制度で、NISA口座で投資した金融商品によって得られた利益は非課税となります。
 
双方の違いを以下の表1にまとめました。
 
表1

iDeCo NISA
対象年齢 20歳以上65歳未満 18歳以上
年間拠出限度額・年間投資枠 81万6000円(自営業者など)
27万6000円(企業年金がない会社員)
360万円(つみたて投資枠・成長投資枠を併用したとき)
対象の金融商品 定期預金や保険商品などの元本確保型商品と投資信託 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(つみたて投資枠)
上場株式や投資信託など(成長投資枠)
資金の引き出し時期 60歳までは引き出せない 自由に売却できる

※筆者作成
 

「iDeCo」のメリット・デメリットや向いている人の特徴

「iDeCo」の大きなメリットは、掛け金が全額所得控除の対象になることと、金融商品で得た運用益も全額非課税になることです。また、受取方法を年金か一時金かで選択できますが、年金を選択した場合は「公的年金等控除」を受けることができ、一時金を選択した場合は「退職所得控除」を受けることが可能です。
 
デメリットとして、原則60歳まで資金を引き出せず、受け取れる金額も運用成績によって変動することに注意しましょう。手数料も発生しますが、費用は金融機関ごとに異なります。
 
所得控除を受けたい、保険商品といった元本確保型の商品を運用したいという方は、「iDeCo」が向いているといえます。
 

「NISA」のメリット・デメリットや向いている人の特徴

「NISA」では、配当などを含めた運用益が非課税となります。口座開設期間が恒久化されており、非課税保有期間が無制限なこともメリットです。
 
ただし、「NISA」は損益通算や繰越控除の対象になりません。また、元本割れのリスクもあります。「NISA」ではさまざまな金融商品が対象になるため、幅広い種類の商品から選びたい方におすすめです。好きなタイミングで売却できることから、生活段階に合わせて運用したい方にも向いています。
 
20代〜30代の世代は結婚や育児、マイホーム購入といったライフイベントが起こる可能性があるため、大きな支出になります。「iDeCo」が60歳まで資金を引き出せないことから、まとまった資金を好きなタイミングで引き出せる「NISA」が向いているといえるでしょう。
 

まとめ

「iDeCo」は掛金が所得控除の対象になったり、運用益が非課税になったりするのがメリットですが、60歳までは資金を引き出せません。一方で「NISA」も運用益が非課税であり、自由に売却が可能ですが、損益通算や繰越控除の対象外です。メリットなどを踏まえると、若年層の方には「NISA」が適しているといえるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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