更新日: 2021.06.02 その他年金
離婚直前「『年金分割』の金額が知りたいのですが、事前に知る事はできますか!?」
私は度々、この『年金分割』についてコラム等で書かせていただいております。もう浸透したかな? と思っていましたが、夫婦問題を扱う専門家の方もまだご存知ない方もいらっしゃいますし、ご相談者様とのカウンセリングの中でも度々質問をいただきます。
やはり多くの女性は、離婚後の生活費がとても心配で、離婚に踏み込めない方も多いようです。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』 https://www.voicemarche.jp/advisers/781
『年金分割』の金額が知りたいのですが、事前に知る事はできますか!?
シングルマザーの貧困問題は、大きな社会問題にもなっています。また、最近多い“アラ50”の離婚相談では、妻が「離婚後のお金問題」をかなり心配されているケースがほとんどです。
ファイナンシャルプランナーと夫婦問題カウンセラーの二刀流で活動している私の元には、具体的に「私の今の稼ぎで、離婚後生きていけるのか」「いくら稼げるようになったら、離婚しても大丈夫か」というご相談が後を絶ちません。
その中で、配偶者の『年金分割』をアテにしている方も結構いらっしゃいます。しかし、分割の金額って不透明ですよね。それでは不安もより大きいでしょう。でも安心してください。年金事務所で『年金分割の情報開示請求』ができます。
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『年金分割の情報提供請求書』の申請方法
日本年金機構のHPより『年金分割の情報提供請求書』をダウンロードして、郵送または直接お近くの年金事務所へ行ってください(年金事務所へ行く際はお電話をして予約をした方がスムーズです)。
<年金分割のための情報提供請求書 ダウンロード>
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/kyotsu/20181011-05.files/12_650.pdf
この情報提供請求は、離婚前でも配偶者に知られることはないようです。しかし、個人番号または年金基礎番号が夫婦共々必要になります。もし不明な場合は、直接年金事務所へ出向いて相談をしてください。また、下記の書類が必要となります。
<必要書類>
1.請求者本人の国民年金手帳、年金手帳または基礎年金番号通知書
2.婚姻期間を明らかにする為に、戸籍謄本もしくは抄本(全部事項証明書)
3.事実婚関係にある期間に係る情報提供を請求する場合は、世帯全員の住民票の写し等
※事実婚を証明する書類はお近くの年金事務所にお問い合わせください。
日本年金機構HP
電話での年金相談窓口
『年金分割の情報通知書』の受取る心構え
『年金分割の情報提供請求書』を申請後、約1ヶ月で『年金分割の情報通知』が届きます。
この通知の中には、お互いの按分内容や期間などの情報が記載されていますので、そちらを元に話し合いをしていただくことになります。余り過度な期待をしないように、注意をしていただきたいことがあります。
(1)年金分割は『厚生年金』部分のみ
国民年金にしか加入していない人は、分割はできません。国民年金(基礎年金)は、必ず個人に守られる権利となっています。
なので、会社員の夫の年金は「半分もらう」と言っても、基礎年金部分は受取れませんので、注意をしてください。(年金は1階が基礎年金、2階が厚生年金と言われていますが2階部分のみの分割です)
(2)必ずしも夫→妻ではない。給与が高い人→低い人となります
もちろん、専業主婦となる第三号被保険者は按分してもらえます。最近は妻の方が年収が高い方もいますのでご注意を。
(3)分割対象はあくまでも婚姻期間のみ
離婚前、離婚後は分割対象になりません。先日も50代前後の晩婚女性から相談があり、会社員の夫の年金分割をアテにしていたようです。しかし、婚姻期間はわずか9年。年金分割だけでは暮らしてはいけないだろうとお伝えしました。
老後のお金は『年金』だけでは不十分
離婚を考えている、配偶者に離婚を伝えられた方の多くは、その精神的な負担で疲労困憊してしまいます。私自身も離婚経験者で、問題を抱えている間はやはり被害者意識が高く、自分の将来のことなど考えることもできませんでした。
しかし、人生100年時代と言われている今、男性は4人に1人、女性は2人に1人が90歳まで生き延びます。年金は終身保障ですが、年金だけで生きていけるのは、夫婦で厚生年金を受給していた方くらいでしょう。
私がご相談者と接する中で、離婚時の女性には大きく2タイプの方がいらっしゃるようにお見受けします。
タイプA:離婚後の将来のお金を甘く見積もっている人
タイプB:意地でも夫に離婚後のお金を頼りたくない人
どちらも危険です。ファイナンシャルプランナーは「ライフプランイング」という、一生涯のお金の見積もりをする業務を行っております。
離婚を決断する前には是非、「ライフプランイング」を実践することをオススメします。客観的に自分のお金の収支をみつめることは大切です。それは、自分や子供の未来を大切にすることと同じことなのです。
私は月に1〜2件は、離婚前の方のライフプランニングを行っております。8割の方は離婚を止める、または先延ばしにしています。また2割の方は、自信を持って離婚へ踏み出して行かれます。
一時の感情だけで離婚をするのではなく、心・体・経済の三位一体があってこそ、幸せは得られるのでしょう。離婚してもしなくても、大切なのはあなたの人生が幸せになることです。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー、相続診断士