一人暮らしの父が亡くなりました。母も10年前に他界しているのですが、父の「未支給年金」は私が受け取れるのでしょうか?

配信日: 2025.08.08 更新日: 2025.10.21
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一人暮らしの父が亡くなりました。母も10年前に他界しているのですが、父の「未支給年金」は私が受け取れるのでしょうか?
年金を受け取っていた人が亡くなると、本来その人に支払われるはずだった「未支給年金」が発生することがあります。この年金は、一定の条件を満たせば遺族が受け取れる制度です。ただし、誰が受け取れるのか、生計の関係や手続きの条件など、制度の仕組みには少し複雑な部分もあります。
 
本記事では、未支給年金を子が受け取れるケースや、必要な手続きについて解説します。
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未支給年金とは? 子どもでも受け取れるの?

未支給年金とは、年金受給者が亡くなった際に、死亡月分までにまだ支給されていなかった年金のことです。年金は通常、偶数月の15日に前々月分と前月分が2ヶ月分まとめて支給されるため、亡くなった時期によっては、1~3ヶ月分の未支給分が発生することがあります。
 
では、この未支給年金は誰が受け取れるのでしょうか?
 
日本年金機構によると、以下のような順序で受け取れる遺族が決まっています。

1.配偶者
2.子
3.父母
4.孫
5.祖父母
6.兄弟姉妹
7.上記以外の3親等以内の親族

つまり、今回のケースでは、配偶者が10年前に他界しているため、「子」が受け取れる可能性があります。ただし、もう一つ大事な条件があります。それが「亡くなった人と生計を同じくしていたかどうか」です。
 

「生計を同じくしていた」とはどういうこと?

未支給年金の請求では、「生計同一関係」にあったことが認められないと受け取ることができません。これは、たとえ親子の関係にあっても、それだけでは不十分ということです。「生計を同じくしていた」と認められるためには、以下のような状況が必要です。

●同じ住民票に載っていた(同一世帯)
●別居でも、定期的に生活費や医療費などを仕送りしていた
●一緒に暮らしてはいなくても、介護や生活支援をしていた証拠がある

つまり、必ずしも同居していなければならないわけではありません。仕送りや生活費の援助があれば、生計同一と認められる可能性があります。もし父親の通帳に、あなたからの入金履歴があるなどの証拠があれば、請求の際に提出すると有利になるでしょう。
 

請求方法と期限、必要書類について

未支給年金を受け取るには、年金事務所または年金相談センターへ申請する必要があります。主に必要書類は以下の通りです。

●受給権者死亡届
●未支給年金請求書
●故人の年金証書
●故人と請求者の関係がわかる書類(戸籍謄本など)
●生計同一関係を証明する書類(住民票、仕送りの記録など)
●請求者名義の通帳(振込先口座の確認のため)

また、手続きには期限があります。未支給年金は、受給権者の年金支払日の翌月の初日から5年以内に請求しないと、時効により受け取れなくなってしまいます。少しでも早く手続きを始めることが大切です。
 
なお、未支給年金の受け取りは「相続」ではなく、遺族の「固有財産」となります。そのため、仮に相続放棄をしていたとしても、未支給年金は受け取れる可能性があります。
 

まとめ:早めの手続きで受け取るために

未支給年金は、配偶者がいなければ子どもが請求できる制度です。ただし、「生計を同じくしていたかどうか」が重要な判断ポイントとなります。別居していた場合でも、生活費の援助や介護支援の実績があれば認められることがあります。手続きには証拠書類が必要ですので、故人との関係を証明できる書類を早めに準備しておきましょう。
 
また、請求には期限があります。5年を過ぎると受け取る権利がなくなってしまうため、できるだけ早めに手続きを行いましょう。未支給年金の手続きは少し複雑ですが、正しい知識を持って進めれば、必要な支援を受け取ることができます。
 

出典

日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
日本年金機構 年金の時効
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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