更新日: 2020.04.07 その他年金

【増税前】9月頃に届く日本年金機構からのお知らせを無視してはいけないワケ

執筆者 : 林智慮

【増税前】9月頃に届く日本年金機構からのお知らせを無視してはいけないワケ
今年2019年10月から消費税率が10%になります。食料品など、生活に必要なものの一部は8%のまま据え置かれますが、消費税率の変更は少なからず消費者の生活を直撃します。
 
年金受給者の支援として、「年金受給者支援給付制度」が設けられています。老齢年金の他に、障害年金、遺族年金受給者も対象になります。
 
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

老齢年金だけでない、障害年金や遺族年金の受給者も対象

年金生活者支援給付金には、「老齢年金生活者支援給付金」と「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」があります。
それぞれ受給対象となる人の基準があります。
日本年金機構
 
「老齢年金生活者支援給付金」については、
(1)65歳以上で、老齢基礎年金を受けている。
(2)世帯全体の市県民税額が非課税
(3)前年の年金収入額とその他の所得額の合計が老齢基礎年金満額779,300円(平成31年度)以下である(これを超える場合であっても、879,300円以下の場合は、補足的老齢年金生活者給付金の対象になります)。
 
以上の支給要件を満たす必要があります。
 
「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」については、
(1)障害(遺族)基礎年金を受けている。
(2)前年の所得額が「4,621,000円+扶養親族の数×38万円」以下である。
 
もし、扶養親族が、70歳以上の同一生計配偶者又は老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族(12月31日時点で19歳以上23歳未満)又は16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円)
の場合に支給されます。
 
これらの要件を満たしている間は、給付金を受け取り続けることが出来ます。
 
ただし、日本国内に住所が無い、年金が全額支給停止になっている、刑事施設等に拘禁されている場合には、給付金の支給はされません。
 

給付金は幾ら支給される?

支給金額は、老齢年金生活者支援金、障害年金生活者支援金、遺族年金生活者支援金それぞれで異なります。
 
老齢年金生活者支援金の場合、保険料納付済み期間や免除期間に応じて計算され、次の(1)と(2)の合計の金額が支給されます。
 
(1)保険料納付済期間に基づく額(月額)=5,000円×保険料納付済期間/480月
ただし、前年の年金収入額と他の所得の合計額が779,300超879,300円以下(平成31年度の場合)は、給付金支給により所得が逆転してしまわないよう、①の金額に一定の割合を掛けて調整します。
 
(2)保険料免除期間に基づく額(月額)=10,834(5,417)円×保険料免除期間/480月
ここで、保険料全額免除、3/4免除、1/2免除期間については10,834円(老齢基礎年金満額の1/6)、保険料1/4免除期間については5,417円(老齢基礎年金満額の1/12)となります。
 
障害年金生活者支援給付金は、障害等級が2級の場合は月額5,000、1級の場合は6,250円が支給されます。
 
遺族年金生活者支援給付金は、月額5,000円が給付になります。2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5,000円を子どもの数で割った金額がそれぞれに支給されます(合計で5,000円)。
 

給付金を受け取るにはどうすればいい?

年金生活者支援給付金を受け取るには、日本年金機構へ認定請求をする必要があります。
 
2019年4月1日の時点で、老齢・障害・遺族基礎年金を受給していて、受給のための要件を満たしている人には、2019年の9月頃に日本年金機構から給付金請求手続きに必要な書類が送付されますので、必要事項を記入し返送します。
 
2019年4月2日以降に老齢・障害・遺族基礎年金の受給を始める場合、年金の裁定請求手続きを行うと同時に、給付金の請求手続きも行います。4月2日以降に老齢年金の受け取りを開始される場合、年金の新規裁定手続き案内に給付金の手続き案内も同封されています。
 
偶数月の中旬に前月分までが振り込まれます(例 10月・11月分は12月に振込)。2019年12月までに請求された場合は10月からの支給になりますが、2020年1月以降に請求すると、請求した月の翌月からの支給となってしまいます。
 
日本年金機構からお知らせがあったら、早めに手続きしましょう。
 
参照:厚生労働省HP
参照:日本年金機構HP
 
執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
 

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