年金手帳は「青色」だけかと思っていたら、父の年金手帳が「オレンジ」でした。色が違うと“将来の年金額”も変わるのでしょうか?

配信日: 2025.08.29 更新日: 2025.10.21
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年金手帳は「青色」だけかと思っていたら、父の年金手帳が「オレンジ」でした。色が違うと“将来の年金額”も変わるのでしょうか?
年金手帳といえば「青色」のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。ところが、親世代や祖父母世代の年金手帳にはオレンジ色や茶色のものもあります。
 
見た目が違うと「将来の年金額も変わるのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。本記事では、年金手帳の色の違いが何を意味するのかを解説し、実際に確認すべきポイントをわかりやすく紹介します。
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年金手帳の色はなぜ違う? 茶色・オレンジ・青の違い

年金手帳には、茶色・オレンジ・青の3種類があります。これは加入時期や制度改正のタイミングによって色が変わったもので、持ち主の年金額に直接影響するわけではありません。
 
■茶色(昭和35年10月~昭和49年10月交付)
国民年金制度が始まった当初の手帳で、表紙下部に「厚生省」と記載されています。
 
■オレンジ(昭和49年11月~平成8年12月交付)
国民年金と厚生年金が一元化され、1冊にまとまった時期の手帳です。表紙には「社会保険庁」と書かれています。
 
■青(平成9年1月~令和4年3月交付)
基礎年金番号の創設に伴い更新された手帳で、表紙下部には「社会保険庁」や「日本年金機構」と記載されています。つまり、色の違いは「発行された時期」を表しているだけで、制度上の区別や金額の差を意味するものではありません。
 
なお、令和4年4月以降は年金手帳の交付は終了しています。これ以降は、初めて被保険者資格の取得手続きを行った方等に「基礎年金番号通知書」が交付されています。
 

色の違いで将来の年金額は変わるのか?

結論からいうと、年金手帳の色が違っても、将来の年金額が変わることはありません。年金額は、加入期間や納付状況、収入に応じて計算されるため、表紙の色に左右されることは一切ないのです。
 
ただし、注意したいのは「記録の統合」がきちんとできているかどうかです。特に制度移行期に発行されたオレンジの年金手帳を持っている方の場合、複数の番号が発行されているケースや、記録漏れが発生しているケースがありました。
 
実際に「年金記録問題」として社会的に取り上げられたように、年金額そのものよりも「正しく記録されているかどうか」が将来の受給額に大きな影響を与える可能性があります。
 

オレンジの年金手帳を持っている場合の注意点

もし家族の年金手帳がオレンジ色だった場合、次の点を確認しておくと安心です。
 
■ねんきんネットやねんきん定期便で加入記録を確認する
日本年金機構が運営する「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で、過去の加入履歴や年金見込み額を確認できます。記録漏れや不一致があれば早めに対応しましょう。
 
■基礎年金番号の統合を確認する
昔の年金手帳を複数持っている場合、番号が異なっていることがあります。統合されていないと、将来の受給額に反映されない可能性がありますので、年金事務所で統合手続きを行うことが大切です。
 
■不明点は年金事務所で相談する
加入記録に疑問がある場合は、年金事務所で直接相談するのが確実です。証明書類を提示することで、正しい記録に修正してもらえます。
 
これらの対応を適切に行うことで、年金手帳がオレンジであっても将来の受給に対する不安を軽減できます。
 

まとめ:色よりも記録確認が大切、将来に備えよう

年金手帳の色は交付された年代の違いを表すだけで、将来の年金額に差はありません。どれであっても、年金額は加入状況や保険料の納付実績によって決まります。
 
ただし、特にオレンジの手帳を持っている方は、記録の統合や番号の管理に注意が必要です。今のうちから「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で履歴を確認したり、必要に応じて年金事務所に相談したりすることが将来の安心につながります。
 
大切なのは「色ではなく記録」です。早めの確認と準備で、将来の年金生活を安心なものにしましょう。
 

出典

日本年金機構 基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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