50代で今さら「iDeCo」は遅いですか? 10年間「月2万円・利率3%」積み立てで見える“老後資金の現実”とは

配信日: 2025.08.31 更新日: 2025.10.21
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50代で今さら「iDeCo」は遅いですか? 10年間「月2万円・利率3%」積み立てで見える“老後資金の現実”とは
老後の資金準備は多くの人にとって重要なテーマですが、「もう50代だし今さらiDeCoを始めても遅いのでは」と感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、iDeCoは加入年齢の上限が引き上げられ、50代からでも十分に資産形成が可能な制度です。
 
本記事では、50代からのiDeCo活用の現実とメリットを分かりやすく解説します。
金田サトシ

FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト

50代からiDeCoを始めても遅くない? 基本の仕組みとポイント

iDeCo (個人型確定拠出年金)は自分で毎月一定額を積み立て、運用しながら老後資金を準備する制度です。以前は加入できる年齢が60歳未満でしたが、2022年5月から、加入可能年齢が拡大されました。
 
現在は、国民年金の被保険者であれば、原則65歳までiDeCoで掛金を拠出することができます。また老齢給付金としての受取開始時期も、60歳から75歳までの間で決めることができるようになっています。
 
50代になってからiDeCoを始める人にとっては、65歳まで積み立てを続けることができるようになり、老後資金をさらに多く確保できる可能性が広がりました。
 
また、iDeCoで拠出した掛金は全額が所得控除の対象となるため、所得税および住民税の節税効果が期待できるのもメリットといえるでしょう。
 

月2万円、利率3%で10年積み立てるとどれくらい増える?

では、月2万円を利率3%で10年間積み立てた場合の資産額を確認しましょう。単純に掛金を合計すると240万円(2万円×12ヶ月×10年)ですが、利率3%で複利運用すると280万円程度となり、約40万円増加すると試算されます。
 
これは毎年の運用益が再投資され、利息が利息を生む複利効果によるものです。また、iDeCoの運用益は非課税であるため、通常の投資と比べて税負担が軽減される点も大きなメリットです。なお、受取時(給付時)には退職所得控除もしくは公的年金等控除が適用され、課税されます。
 
iDeCoで増やしたお金を老後の生活費の一部に充てれば、年金だけでは不足しがちな資金の補填に役立つはずです。もちろん、利率や運用商品によって結果は変わりますが、リスクを分散しつつ長期で運用することが資産形成の鍵といえます。
 

50代からiDeCoを始めるメリットと注意点

50代からiDeCoを始める最大のメリットは、所得控除による節税効果です。毎月の掛金全額が所得から控除されます。先ほどの例でいうと、毎月2万円の掛金であれば、年間24万円全額が所得控除の対象にされます。課税対象となる所得が減少した結果として、支払うべき所得税や住民税が少なくなるのです。
 
さらに運用益が非課税で積み立てられるため、通常の金融商品よりも税金の面で考えると有利です。また、受け取り時も一定の控除が受けられるため、税負担を抑えた形で資金を引き出せます。
 
一方で50代からの加入だと、掛金の拠出期間や運用期間が若い世代と比較して短くなります。iDeCoは本来、長期運用で複利効果を狙うための資産形成の仕組みですが、加入期間が短いと十分な資産成長は見込めません。また、若いうちから長期間続ける場合に比べ、税制優遇も小さくなってしまうことは認識しておきましょう。
 

まとめ

「今さらiDeCoを始めても遅い」という考えは必ずしも正しいわけではありません。50代からでも10年程度の運用期間があれば、月2万円の積み立てで約280万円程度の資産形成が見込めます。所得控除や運用益の非課税などの税制優遇も受けられるため、老後資金の準備に非常に有効な手段といえます。
 
もちろん、リスクを理解し、無理のない範囲で計画的に積み立てることが重要です。老後の安心を確保するために、今からでもiDeCoを活用して資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

iDeCo公式サイト
 
執筆者 : 金田サトシ
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト

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