今すぐ「通帳」の確認を!年金が“5000円以上”も減っている可能性が!? 10月支給分から年金受給額が減るケースとは?
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10月支給分から「年金の手取り」が減るケースとは?
公的年金は、原則として偶数月の15日が支給日となっています。多くの自治体では、介護保険料や国民健康保険料などの特別徴収額の見直しが10月支給分から行われるため、このタイミングで年金の手取り額が減るケースがあるようです。
そもそも、公的年金のうち老齢年金は課税対象であるため、個人住民税の納税義務がある年金受給者は給与などと同様に、各種税金や保険料が天引きされるようになっています。日本年金機構のWebサイトによると、以下の条件に該当する年金受給者は年金額からの徴収があるとしています。
・介護保険料
65歳以上の方のうち、老齢もしくは退職、障害または死亡を支給事由とする年金を受給している方であって、年間の受給額が18万円以上の方
・国民健康保険料(税)
65歳以上75歳未満の方(後期高齢者医療制度の該当者を除く)のうち、老齢もしくは退職、障害または死亡を支給事由とする年金を受給している方であって、年間の受給額が18万円以上の方
・後期高齢者医療保険料
75歳以上の方もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度に該当する方のうち、老齢もしくは退職、障害または死亡を支給事由とする年金を受給している方であって、年間の受給額が18万円以上の方
・住民税および森林環境税
65歳以上の方のうち、老齢もしくは退職を支給事由とする年金を受給している方であって、年間の受給額が18万円以上の方
厚生労働省の資料によると、これら特別徴収の対象者となる判定が毎年6月から7月ごろに行われ、1~2か月後に自治体から通知が届きます。実際に徴収が始まるのは10月からとなるため、このタイミングで年金受給額が変わるケースがあるようです。
実際いくらくらい「年金」が減ってしまうの?| 新宿区のケースで試算
では、年金からの特別徴収によって天引きされると、実際の手取り額はどのくらい変わってしまうのでしょうか。自治体によって国民健康保険料の計算方法が異なるため、今回は東京都新宿区の条件を用いて試算してみましょう。
以下の表1は、総所得金額をもとにした1か月あたりの保険料の目安をまとめたものです。
表1
| 総所得金額 | 1か月あたりの保険料(介護保険料含) |
|---|---|
| 0円 | 6,725円 |
| 250,000円 | 6,725円 |
| 500,000円 | 7,463円 |
| 750,000円 | 10,098円 |
| 1,000,000円 | 12,734円 |
出典:新宿区「令和7年度 国民健康保険料 概算早見表」をもとに筆者作成
上記を参考にすると、例えば総所得金額が50万円から75万円に1年間で増加した非課税世帯の年金受給者の場合、2ヶ月分で5270円の年金額が減少する可能性があるという計算になります。
働きながら年金をもらう人は「在職老齢年金」にも注意が必要
このほか、年金を受給しながら働いている方には、「在職老齢年金」の制度に該当する可能性があることに留意しましょう。在職老齢年金制度とは、賃金と厚生年金受給額が一定を超えた場合、年金の支給調整を目的として、本来受給できる厚生年金の金額から減額されるという仕組みのものです。
なお、2025年現在、賃金と厚生年金受給額を合わせて50万円以上が限度額となっていますが、年金受給者である高齢者の就労機会を後押しするため、将来的に月62万円まで引き上げる見直し案も予定されています。
まとめ
老齢年金は課税対象のため、前年から所得額が大きく変わった方などは、前年分との年金額が変わる可能性があります。年金における特別徴収が行われるのは例年10月支給分からのため、もしかしたら当てはまっているかもしれないと思った方は通帳を確認してみましょう。
出典
日本年金機構 年金Q&A 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。
厚生労働省 介護保険、国保健康保険及び後期高齢者医療制度における保険料(税)の特別徴収関係資料
新宿区 令和7年度 国民健康保険料 概算早見表
厚生労働省 政策について 在職老齢年金制度の見直しについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
