誕生日に届いた「ねんきん定期便」によると老後の年金額は“15万円弱”…。親に話すと「そんなもの」だそうですが、本当でしょうか?

配信日: 2025.12.21
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誕生日に届いた「ねんきん定期便」によると老後の年金額は“15万円弱”…。親に話すと「そんなもの」だそうですが、本当でしょうか?
国民年金や厚生年金に加入している方には毎年誕生月にねんきん定期便という書類が送付されます。ねんきん定期便を見て老後の年金額の少なさに落胆する方も多いですが、平均額はいくらくらいなのでしょうか。本記事では、ねんきん定期便の記載内容や老齢年金の平均額、見込額が少ない場合の対処法を解説します。
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誕生月に届く「ねんきん定期便」を見ると何が分かる?

日本年金機構によると、年金制度への理解を深めることを目的に毎年誕生月に自身の年金記録が記載されたねんきん定期便が送られます。ねんきん定期便は年齢によって形式や記載される内容が異なっています。
 
年齢別の形式・記載内容を表1にまとめました。特に、50歳以上の方のねんきん定期便には65歳以降にもらえる老齢年金の見込額が記載されており、その金額を見て落胆される方も少なくありません。
 
表1

区分 形式 記載内容
50歳未満(35歳・45歳以外) ハガキ 保険料納付額
月別状況(直近13月)
年金加入期間
加入実績に応じた年金額
50歳以上(59歳以外) ハガキ 保険料納付額
月別状況(直近13月)
年金加入期間
老齢年金の種類と見込額
受給者
(直近1年間に被保険者期間がある場合)
ハガキ 保険料納付額
月別状況(直近13月)
年金加入期間
35歳・45歳 封書 保険料納付額
年金加入期間
加入実績に応じた年金額
年金加入履歴
月別状況(全期間)
59歳 封書 保険料納付額
年金加入期間
老齢年金の種類と見込額
年金加入履歴
月別状況(全期間)

※日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」を基に筆者作成
 

“月額15万円弱”の年金額は少ない? そんなもの?

厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業の概況によると、令和5年度末時点の老齢基礎年金を含めた老齢年金の受給権者平均年金月額は14万6429円です。そのため、老後の年金額が15万円弱というのは平均的な水準といえます。概況だけ見れば、親御さんの「そんなもの」という発言もあながち間違っていないでしょう。
 
なお、同資料によると、男女別の平均受給額は、男性が16万6606円、女性が10万7200円となっています。そのため、共働きの期間がある老齢夫婦世帯の場合では、月額合計約27万円の年金をもらえる可能性があるかもしれません。
 

老齢年金の“見込額”が「少ない」と感じた場合の3つの対処法

老齢年金の見込額が少ないと感じた場合は、以下の方法を検討するのも良いでしょう。
 
・60歳以降も働く
60歳以降も働くことで、生活費を補いつつ将来の年金額を増やせます。ただし、日本年金機構によると、年金を受け取りながら働く場合、一定以上の収入があると老齢厚生年金の一部・全額が支給停止になる場合があるようです。
 
・年金の繰り下げ受給を検討する
日本年金機構によると、老齢年金を65歳で受け取らず、66~75歳の間で繰り下げることで増額された年金を受給できます。繰り下げ期間に応じて年金額は増え、増額率は一生変わりません。
 
・私的年金に加入する
公的年金に上乗せして給付を受けられる私的年金に加入するのも一つの手です。厚生労働省によると、私的年金には企業年金の確定給付企業年金や確定拠出年金、現在は新たな加入が行われていない厚生年金基金制度、現時点でも加入可能な国民年金基金などがあります。
 

まとめ

ねんきん定期便には、保険料納付額や年金加入期間などが記載されており、50歳以上の場合は老齢年金の種類と見込額が記載されています。個人によって違いはあるものの、老齢年金の平均月額は約15万円であることから、受給見込み額が月額15万円弱であれば平均程度といえそうです。
 
老齢年金の見込額が少ない場合は60歳以降も働いたり年金の繰り下げ受給や私的年金への加入を検討したりして、老後の資金を確保しましょう。
 

出典

日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
厚生労働省 令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 在職中の年金(在職老齢年金制度)
日本年金機構 年金の繰下げ受給
厚生労働省 私的年金制度の概要(企業年金、個人年金)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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