40歳の息子が「がん」で死亡…息子は“月収50万円”ほどでしたが、62歳の母親は「遺族年金」を受け取れますか? 受給要件・金額を確認

配信日: 2025.12.28
この記事は約 3 分で読めます。
40歳の息子が「がん」で死亡…息子は“月収50万円”ほどでしたが、62歳の母親は「遺族年金」を受け取れますか? 受給要件・金額を確認
家族が亡くなった際、手続きを行うことで遺族年金を受け取れる可能性があります。特に、故人によって生計を維持されていた場合、遺族年金はその後の生活を支える要です。本記事では、掲題のケースを例として、息子が亡くなった場合における遺族年金の受給要件や受給金額を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

残された母は家族構成によって「遺族年金」を受給できる可能性も

息子と生計を共にしていた場合、母親は遺族年金を受給できる可能性があります。遺族厚生年金は、故人によって生計を維持されていた遺族のうち、以下の中で最も順位の高い人が受給資格を有します。


1.子のある配偶者
2.子
3.子のない配偶者
4.父母
5.孫
6.祖父母

この中でも、2の子と5の孫は18歳の年度末までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人のみ該当します。
 
また、4の父母と6の祖父母は55歳以上の場合のみ該当しますが、受給開始は60歳以降です。掲題のケースであれば亡くなった息子に遺族厚生年金を受給できる配偶者・子どもがいない場合、62歳の母親が受給できる権利を持ちます。
 

息子が“月収50万円程度”の場合、母が受け取る遺族年金は「月5万円程度」の可能性

遺族厚生年金でもらえる金額は、亡くなった人が将来受け取るはずだった老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3です。まず、厚生年金の加入期間を「2003年3月まで(A)」と「2003年4月以降(B)」に分けて、それぞれの期間分を計算します。


A:平均報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
B:平均報酬月額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

報酬比例部分は、A+Bとなります。厚生年金の加入期間月数が300月未満の場合、300月として扱います。
 
掲題の息子が22歳で新卒入社して厚生年金に加入し、2025年に40歳で亡くなったと仮定すると、加入期間は全てBに該当します。この場合、加入月数は216月であるため、300月とすると式は以下の通りです。


報酬比例部分=50万円×5.481/1000×300=82万2150円
受給額=82万2150円×3/4≒61万6612円

実際の給与や賞与の額にもよりますが、受給額を月額に換算すると約5万1384円となります。
 

残された母親が65歳になり「老齢年金」の受給権を得たとき「遺族年金」はどうなる?

2006年度末までは、老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給資格がどちらもある場合は、どちらを受けるかを選択する決まりでした。
 
しかし、2004年の年金制度改正により、2007年度からは老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金を受給している分の金額が支給停止となります。2007年4月1日以前に受給資格を持ち、同日時点で65歳以上の場合は、以下の3つから受給形態を選択可能です。


・老齢基礎年金+遺族厚生年金×2/3+老齢厚生年金×1/2(遺族厚生年金の受給権者が死亡した人の配偶者である場合のみ選択可能)
・老齢基礎年金+老齢厚生年金
・老齢基礎年金+遺族厚生年金

 

まとめ

遺族厚生年金は故人に生計を維持されていた遺族のうち、優先順位が最も高い人に受給資格が与えられます。息子に配偶者や子どもがいないのであれば、母親が受給資格を有することになるでしょう。
 
受給金額は息子の収入にもよりますが、月収50万円程度であれば月額5万円程度になると考えられます。これはあくまでも目安であるため、本記事を参考にして具体的な収入を当てはめて受給金額を計算しましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問