65歳を迎え、“年金請求書”が届いても「私は繰り下げるからいいの」と手続きをしない母。かれこれ半年になるのですが、放っておいても大丈夫でしょうか…?

配信日: 2026.01.15
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65歳を迎え、“年金請求書”が届いても「私は繰り下げるからいいの」と手続きをしない母。かれこれ半年になるのですが、放っておいても大丈夫でしょうか…?
老齢年金の受給には、請求手続きが必要です。では、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」制度を利用する場合、65歳時点での請求手続きは放置しても問題ないのでしょうか。今回は「繰下げ受給」を利用する際の注意点を中心に紹介します。
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65歳からの老齢年金の受け取りには「年金請求」が必要

老齢年金は「老齢基礎年金」および「老齢厚生年金」の2階建て構造です。日本年金機構のホームページ内「老齢年金の請求手続き」では、受給要件について、以下のとおり説明しています。


老齢基礎年金:10年以上の受給資格期間がある方が65歳から受給可能
老齢厚生年金:老齢基礎年金の受給資格期間があり、厚生年金保険の被保険者期間がある方が65歳から受給可能

なお、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある方については、65歳になるまで特別支給の老齢厚生年金の受給が可能です。こちらの受給開始年齢は、生年月日に応じて異なります。
 
受給は、年金を受け取る権利(基本権)が発生した時点から自動的に開始されるものではなく、所定の請求手続きが必要になるでしょう。
 

「年金を受ける権利(基本権)」には5年間の時効が存在する

掲題の例にあるとおり、確かに老齢年金には受給を1ヶ月遅らせるごとに0.7パーセントの増額が可能な「繰下げ受給」制度が存在します。しかし、繰下げ受給を選択するからといって、年金の請求手続きを放置するのはご法度です。
 
なぜなら、年金を受ける権利(基本権)は、権利が発生してから5年を経過したとき、時効により消滅するからです。つまり、年金の請求手続きを放置し、一定期間を過ぎるとさかのぼって受給できなくなる可能性があります。
 
長期間手続きを行わなかった場合、受け取れない分が生じる可能性もあるでしょう。一方、年金請求手続きとあわせて繰下げ申出書を提出すると、年金を受ける権利を保留した繰下げ待機として扱われるため、年金を受給していないからといって基本権の時効を迎えることはありません。
 
また、66歳以降も請求は可能ですが、送付される書類では対応できないケースがあります。その際は「老齢基礎・厚生年金裁定請求書/支給繰下げ請求書(様式第235-1号)」をダウンロードするか、最寄りの年金事務所にて受け取りましょう。
 
こうした点を踏まえると、繰下げ受給を選ぶ場合でも請求手続きを放置するのではなく、65歳を迎えたら早めに必要な手続きを進めておくことが大切といえそうです。
 

「繰下げ受給」のその他の注意点

繰下げ受給を検討する際には、いくつか注意点があります。
 

注意点1:加給年金や振替加算を受けられない

厚生年金の被保険者期間が20年以上ある方が65歳到達時点で生計を維持する配偶者や子どもがいる場合に受けられる「加給年金」は、繰下げ待機期間中は受けられません。加給年金の終了後に配偶者が受けられる可能性のある「振替加算」についても同様です。
 

注意点2:遺族厚生年金を受け取っている場合は繰り下げ不可

遺族厚生年金を申請・受給している場合、老齢厚生年金の繰下げ受給はできないとされています。
 

注意点3:特別支給の老齢厚生年金も繰り下げ不可

60歳〜65歳になる誕生日前まで、「特別支給の老齢厚生年金」が支給される場合があります。
 
日本年金機構のホームページでは、受給要件について以下のとおり定めています。


・男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれたこと
・女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれたこと
・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること
・厚生年金保険等に1年以上加入していたこと
・生年月日に応じた受給開始年齢に達していること

特別支給の老齢厚生年金については、繰下げ受給ができないようです。受給開始年齢に達した時点で、速やかに手続きを済ませる必要があります。
 

まとめ

年金の受給に際しては複数の注意点があります。特に、5年以上前の年金が受給できなくなる「時効」の発生は避けておきたいところではないでしょうか。年金関連の手続きは、なるべく早めに済ませておきましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢年金の請求手続き
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 年金の時効
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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